法令・基準など

県検査課 不服申立3件の措置に関する入契審の意見~その対応について

投稿日:2022年01月06日 12:17 更新日:

 鳥取県会計管理局工事検査課はこのほど、令和3年度不服申立に対する意見(付言)について、工事検査課の対応状況を報告した。

 報告したのは、下村建設とみたこ土建、山陰緑化建設が提出した不服申し立てで、審議会から訂正や見直しを求められていた案件について、検査課がどのように対応したかをまとめたもの。
 以下に業者の不服概要と審議会付言、付言に対する検査課の対応を記載した。

 なお、必要があれば山陰緑化建設の不服申し立てを参照してください。

受注者名 不服概要 審議結果 審議会付言 付言への対応
下村建設 じゃかごの修補工事 棄却 修補に要する資材の納品に時間を要することが判明した場合は、修補期間を延長するなど、手直し期間の例外措置を認めることを検討していただきたい。 現行の法令、規則上手直し期間に特例を設けることは、当面対応困難(付言①参照)
みたこ土建 技能士報告書の提出、県有地の借地 修正
棄却
「対外」の解釈について周知を図ること 対応済み(付言②参照)。令和4年1月1日以降の工事検査に適用
山陰緑化建設 根固めブロックの間隔協議 修正  説明請求に対する回答を行う際には、工事検査課と米子工事検査事務所で回答案を確認したうえで、県として回答を行うなどの対応が望ましい。
 書類不備における評価方法について、検査員で共通認識をもち、建設業者への評価根拠の説明を徹底すること
対応済み(付言③・付言④を参照)。付言④は令和4年1月1日以降の工事検査に適用

【付言①に対する工事検査課の意見と対応】(下村建設)
 現行の手直し期間は業界内でも理解され「手直し」から「修補工事」へ移行する期間の運用についても納得が得られている。
 すなわち、比較的軽微な修繕であっても中には日数を要する場合もあるが、検査を受けた時期による不公平をなくすためには、実際に修繕に要した日数で区分することが合理的であると理解されている。
 また、この手直し期間に特例を認めることは、現行の法令や規則等に抵触する恐れがある。このため、「手直し期間の例外規定」の設定への対応は、当面行わない。
 なお、手直し工事から修補工事への移行した場合の具体的な事例を積み重ねながら、現在の手直し期間の設定について慎重に検証していく必要がある。

 手直し期間の例外規定により、修繕期間の延長を認めることは「政府契約の支払遅延防止等に関する法律」や「建設工事執行規則」等で検査の完了の終期が定められている以上、困難であると同時に、評定の公平性や工事検査の厳格性の両立を損なうこととなるため当面、対応できない。
 詳細理由は、以下のとおり。

※詳細理由1(手直し期間の趣旨)
 「手直し」は、検査現場の実態を踏まえ、検査時点では「不合格」であるが、軽微な修繕工事により合格と判断できるものであれば、この期間内に限り、検査時に契約不適合であっても、不合格としないという特例の運用である。

〔解説〕
 「手直し」は本来、建設工事執行規則に無い運用であり、すなわち手直し期間中は、手直しが完了する間、「合否」を保留し、「不合格」を猶予している状態と言える。
 (現場で不適合があってもその場(検査中)で直せば合格にしているが、その期間が少々長いのが手直しの考え方)

 従って、このような「手直し期間」は、できる限り限定的かつ必要最小限の期間を設定し一律に運用すべきものである。

 よって、この期間を「軽微な修繕期間」として検査の日から起算して5日間に限定し、すべての受注者が同一の期間内で、一律に「手直し」の猶予が適用される現行の運用は、受注者にとっても、公平であると言える。

※詳細理由2(手直し期間の例外措置の不公平)
 例外措置が適用されると、手直し期間の5日間を超えても「合格」となるが、この例外が適用されない通常の手直し工事は、5日間を超過すると「不合格」となり、修補工事に移行することで新たな不均衡が生じる。
 さらに「手直しの」内容や、例外期間を個別に設定することでさらなる不公平感を招く恐れがある。

※想定される事例と弊害
①A社は、完成検査でプレキャスト擁壁の出来形不足を指摘され、製品の納期が20日かかることから、本来の手直し期間5日に例外措置として、20日間を加え、計25日間で手直しを完了させることとなった。
 同社は、これ以外にも管理資料が未作成で指摘も多くあったが、例外措置の20日があったため、この期間内で他の指摘事項の資料を作成し、擁壁の床堀等の事前準備も行うことが出来たため、結果として手直し期間内に指摘事項をすべて完了し、最終的に検査は「合格」となった。

②B社は、同じく完成検査でプレキャスト擁壁の出来形不足を指摘され追加施工を余儀なくされたが、同様の擁壁は別工事でも他社が受注しており、急遽、当該工事に流用出来るよう自社努力で調整し、規定の5日以内に完了するよう努力した。
 他に特段の指摘も無く擁壁設置のため昼夜作業したが、手直し期間5日の間の降雨により、床付け面の状態が悪くなり、擁壁の品質を確保するため、やむなく作業を中断した結果、手直しに7日間を要したため、検査は「不合格」となり修補工事となった。結果、B社はA社より早く工事を完了させたにも関わらず、「不合格」となり、著しく低い工事成績となった。

(総括)
 手直しの例外規定を新たに認めることで、本来A社は、検査期間の14日以内に検査を終了し、発注者へ成果物を引き渡すべきところであるが、この期間を超えてもなお工事(検査)が完了せず、事実上、「不合格」が保留され、その期間中は粗雑工事の状態となっているにもかかわらず、最終的に「合格」とみなされたことは、誠実に工事を施工している他の業者や業界団体から不審感を招く結果となる。

※詳細理由3(手直し期間の例外規定の影響)
 手直し期間の例外規定を認めると、完成届の受理から14日を超えて検査が完了しない場合が想定され、政府契約の支払遅延防止等に関する法律、並びに鳥取県建設工事執行規則や建設工事請負契約書の約款に抵触することから、このような例外規定を設けることは、現行法上対応できない。

〔解説〕
・政府契約の支払遅延防止等に関する法律により検査完了の終期が、完成検査を受理した日から14日間以内と定められており、検査の実施は、上記を踏まえ完成検査を受理した日から起算して10日以内に行うことで、手直し期間を実質5日間確保することとし、公平性を確保している。嶋取県工事検査規程の運用について第14)・一方、修補工事の場合は、期間は契約約款第31条2項により、この期間に含まないとされている(鳥取県共通仕様書1-1-20、7)。
・検査完了の遅延が生じ、支払いの約定期間を超過する場合は、設計図書との不適合で手直し工事を行った受注者に支払わなければならない場合も想定され、社会通念上、認められるものではない(手直し期間の特例が40日間を超える場合など)。

※詳細理由4(著しく困難な特殊の内容を有する場合の期間の特例)
 政府契約の支払遅延防止等に関する法律第7条では、著しく困難な特殊の内容を有する場合は、例外的に「期間の定め」の特例を設けられているが、これは通常、土木工事では認められないと解されている。
 また、この特例によっても、その期間は、第5条1項の最大の期間に1.5を乗じた日数以内(14日×1.5=21日)の日としなければならない。

(参考)土木工事技術検査の具体的な進め方(一般社団法人日本経営協会テキスト)より
 「著しく困難な特殊の内容」を有するものであるかは、個々の具体的事情に応じて決せられるべきものであるが、その内容が「客観的に特殊なもの」に限られている。
 具体例として、精密検査、試運転(検査に長時間必要な場合)、検査委託等の事由により検査が14日以内に完了しない場合などがあり、建設工事などはこれらの事由には該当しないと解されている。
 したがって、仮に手直し期間の例外規定を認める場合であっても、「著しく困難な特殊の内容」を有するかどうかが議論となるが、これは個々の具体的事晴に応じて決定すべきところであり、資材調達や天候状況、その他受注者側に起因する事由は「客観的に特殊なもの」及び「著しく困難な特殊の内容」ではない。

【付言②に対する工事検査課の対応】(みたこ土建)
〔対応済み〕
 考査項目別運用表様式土 3-1,3-2の2施工状況(Ⅳ対外関係)の備考欄に「※対外関係とは受注者・発注者以外との関係である」と追記し改訂し、総括監督員並びに受注者に対し、対外の解釈について周知を図ることとした。
 なお、令和4年1月1日以降の工事検査に適用し、関係団体に通知する。

【付言③に対する工事検査課の対応】(山陰緑化建設)
〔対応済み〕
 説明請求の回答の決裁に当たっては、工事検査課長並びに米子工事検査事務所が回答案を確認のうえ、各々の過去の事例に基づき必要に応じて、修正を加えながら県としての回答を行うなど、受注者が不服申立に至るまでの事前の過程で双方のコミュニケーションが取れるよう体制を強化した。
 (説明請求・不服申立DBを活用し、情報共有しながら過去の事例を参考に回答に齟齬が生じないよう徹底した。)

【付言④に対する工事検査課の対応】(山陰緑化建設)
〔対応済み〕
 9月16日開催の第6回検査員会議において、書類不備における評価方法を議題に取り上げ、検査員間で判断に齟齬が生じないよう徹底した。
 また、引き続き評価方法について不明な点は、検討議題として取り上げることとした。
 さらに、検査員や総括監督員が使用する留意事項についても、新たに評価の視点を具体的に記入するなどして、検査員と総括監督員で共通認識をもち、建設業者への評価根拠の説明に齟齬が生じないよう改訂した。
 令和4年1月1日以降の工事検査に適用し、総括監督員や兼務検査員に周知する。

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