県生活環境部住まいまちづくり課は、鳥取県福祉のまちづくり条例の改正施行(平成28年)から5年が経過したため、整備基準専門委員会を設置し、このほど条例見直し案の中間とりまとめを行った。
引き続き12月6日からパブリックコメントを実施するほか、バリアフリーに優れた建築物を評価する認証制度の導入も検討段階に入った。
【条例見直し案の概要】
見直し案は、バリアフリー化を義務付ける建築物の規模を引下げ、福祉施設や公衆便所などバリアフリー基準の適用率が低い施設について、新築する際にバリアフリー整備を義務付ける床面積を引下げ、バリアフリー化の向上を図る。
なお、適用率は平成28~令和2年度で61%と4割が未整備で、令和4~令和8年度は70%を目標とする。
1)バリアフリー化を義務付ける建築物の規模の引下げ
| 項目 | 用途 | 現行基準 | 見直し案 |
| 福祉施設 | 老人ホーム等 | 100㎡以上 | 全て |
| 公衆便所 | 公衆便所 | 50㎡以上 | 全て |
| バリアフリー適用率が低い施設 (条例対象となる建物が少ない) |
コインランドリー等 | 100㎡以上 | 50㎡以上 |
| 上同 | 理美容院等 | 200㎡以上 | 100㎡以上 |
| 上同 | 共同住宅 | 床面積1000㎡以上 | 500㎡以上で3階建て以上 又は1000㎡以上 |
2)障がいの種類等に応じたバリアフリー整備基準の拡充
障がい者等の意見を参考にバリアフリー整備基準を見直す。
①車いす使用者
(新規)多目的トイレとは別に一般トイレ内(男女別がある場合はそれぞれ各1以上)に車椅子で利用可能なトイレ(便房)を義務付ける。病院・美術館等は1000㎡以上、物販店舗等2000㎡以上。
(新規)主な出入り口に自動ドア又は引き戸の整備を義務付ける。
(新規)公衆浴場やホテル等の共同浴場は、車椅子使用者対応の整備(空間の確保、浴室までの段差解消など)を義務付ける。
(拡大)「トイレ内の大人用ベッド」、「車いす使用者用駐車場の屋根」を整備する面積基準の引き上げ。
②聴覚障碍者
(新規)トイレの個室に光の点滅で火災を知らせる警報設備を義務付け。
(新規)エレベーターを設置する場合は、火災時に避難階に着床する設備を義務付け。
③視覚障がい者
(拡大)誘導ブロックを歩道の誘導ブロックへの接続を義務付ける。
④高齢者
(新規)階段、踊り場の両側手摺りの整備を義務付け。
(新規)公衆浴場、ホテル等の共同浴場は、浴室内等のバリアフリー化を義務付け。
⑤子育て世帯、オストメイト
(拡大)多目的トイレとは別に一般トイレに「ベビーベッド」、「オストメイト対応設備」を整備する面積基準を引き下げ。
(新規)小規模施設を除き、温水シャワー付きオストメイト対応設備の整備を義務付け。
(その他の改正内容)
・飲食店、物販店等の店内の段差解消に努めることを条例に規定する。
・公営住宅は新設・建替等において車いす用住戸の整備に努めることを条例に規定する。
・福祉のまちづくりを更に推進する体制として、市町村が福祉のまちづくりの協議会を設置することができることを条例に規定する。
3)弱視(ロービジョン)者に配慮する整備基準の拡充
・視覚障がい者のうち約7割が弱視者であることから、弱視者に配慮すべき整備基準を追加する。
現行基準では階段の段鼻、傾斜路、点字ブロックの明度差等に配慮した整備とするが、見直し案では、現行基準に廊下・階段等、トイレにおける「床と壁」、「壁と出入口」等に明度差等に配慮した整備基準を追加する。
4)既存建築物の改修に適用する整備基準の緩和
空きビルをリノベーションして活用する場合にエレベーター設置基準が利活用の支障になるケースがあるので、設置を義務付ける面積規模を引き上げ、既存建築物を利活用しやすくする(整備基準の見直し)。
現行基準では200㎡以上だが、見直し案は500㎡以上とする。
