不祥事・訴訟など

鳥取市 検査契約課など3課で不明金1千万 債権請求あれば支払いに

投稿日:2021年06月16日 11:42 更新日:

 鳥取市は16日、検査契約課、収納推進課、財産経営課担当分の現金について、経緯が不明なものがあったことから、これを市議会に報告した。

1 不明金が発生した経緯と考えられるもの
 財務会計システムを平成22年度から23年度にかけて更新したが、それに起因していると考えられる。旧システムでは歳計外現金の受入と払出のデータがリンクしておらず、また担当課が担当分の歳計外現金をそれぞれ管理していた。また年度繰越時は全庁分を一括して繰り越していた。

 新システム(平成23年度以降)になって受入と払出のデータが1対1対応できるようになり、所管課の設定も可能となった。旧システムから新システムにデータを移行し繰越を行った際に、出納室が担当課別に繰越データを作成したが、課の一括データとして作成しており、合算元が分かる形では登録されなかった。

2 検査契約課の契約保証金の不明金
【経緯】
 平成30年5月、検査契約課から「財務会計システムに平成22年度以前の契約保証金の未返却分として964万8253円が毎年繰り越されているが、これは検査契約課に由来するものではないので確認してほしい」と連絡があった。

【調査内容】
 平成18年に検査契約課が設置されてから、工事に係る契約はすべて検査契約課が行っており、契約保証金について改めて全件チェックしたがすべて適切に処理されていた。
 当時の出納室の担当者は、新システムに移行する際に出納室から各課に確認した上で歳計外データを移行したとしているが、検査契約課の当時の担当者は「特に説明はなかった」と言っている。他にも保証金や敷金を歳計外現金で運用している部署(生活環境課、都市環境課、建築住宅課、下水道経営課)があるが、いずれも正確に処理されているとのことだった。
 そのほかの歳計外現金を所管する部署にも確認したが、いずれも収支に過不足はないとのことだった。なお、システム移行に関する出納関係の文書は保存年限が過ぎて廃棄されていたため、文書による調査はできなかった。また、旧システムサーバは、機材自体は未廃棄だったが、起動できずデータは参照できなかった。

【調査結果】
 いずれの部署でも歳計外現金に過不足はなく、契約保証金として繰り越されてきた964万8253円の経緯は判明しなかった。

3 収納推進課の差押金の不明金
【経緯】
 平成26年に出納室で平成22年度以前分の差押金残余の未返還分138万0200円が存在することを発見し、差押金を所管する徴収課(当時)と合同で調査することとした。なお、差押金残余とは差押金を未収の税・料に充当した残りのことで、納付義務者に返還するものである。

【調査内容】
 差押金返還金が生じた場合、徴収担当課で対象者に通知するとともに払出命令書を出納室に提出し、出納室に受け取りに来てもらっている。
 対象者が年度末までに受け取りに来なかった場合、翌年度に繰り越す必要があるが、いったん担当課で払出取消の処理を行うために担当課に払出命令書を返却している。
 出納室の当時の担当者によれば、支払予定日までに受け取りに来なかった返還金の払出命令書は担当課に返却していたとのことだが、収納担当課によれば、新財務会計システムになる前は、払出命令書の返却を受けたことはなかったと言っている。
 平成26年中に、保管してある支払調書を確認したが、税に未充当の可能性のあるものは確認できなかった。現在では平成22年度以前の返還金払出に関する書類は廃棄しているため、返還対象者は把握できない。
 差押金の残額が生じる可能性のある下水道経営課と保険年金課にも確認したが、債権に未充当のものは生じていないとのことだった。

【調査結果】
 新財務会計システムへ引き継いだこの138万0200円について、根拠となる資料が見当たらず詳細は判明しなかった。

4 財産経営課の不明金
 2、3の不明金を確認している過程で見つかった平成22年度以前の財産経営課分の不明金300円について、財産経営課に調査を依頼し調査したが、不明金が生じた経緯は分からなかった。

5 今後の対応
 いずれも平成22年度以前に生じた歳計外の不明金であり、これらの債務が生じてから令和3年3月31日で少なくとも10年が経過した。(歳計外現金に出納整理期間はないため。)債権の請求権の時効は、権利を行使することができる時点から最大で10年であり、令和3年3月31日ですべての債権について時効年限が到来した。

 これらの債権についてはすべて私債権となるため、時効の年限の到来だけでは債権は消滅せず、時効の援用を行う必要があるが、債権者が不明のままでは行えない。令和3年度以降、一般会計の雑入として収納した上で、債権者からの請求があった時点で時効の援用を行う。仮に債権者によって請求に関する訴訟が起こされ、判決により支払いが命じられた場合、その時点で予算化して支払うこととなる。

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