令和6年度に入札不調となった県営住宅上粟島団地建替え事業の再公告の概要がまとまった。令和7年度中に事業者を再公募し、令和8年度に事業者を選定する。事業期間は令和8年度から13年度まで。
事業は施設整備を効率的かつ効果的に実施するため、民間活力やノウハウを活用するPFI手法を導入しながら老朽化が進んでいる県営住宅上粟島団地(48戸)、富益団地(88戸)を上粟島団地に集約(54戸)し、建替整備するもの。債務負担行為額は22億5374万円(令和8年度~13年度)。
主な事業内容(債務負担行為)
①事業方式 PFI(BT方式(Build―Transfer))+管理代行方式)による設計・解体・建設
※BT方式とは、民間事業者が公営住宅の設計・建設を行い、竣工後に県へ所有権移転する方式。
②事業期間=事業契約締結日から令和13年10月まで(設計・建設及び解体期間)
③事業概要
米子市彦名町7647-2他の敷地面積:約8587㎡が対象で、事業規模は県営住宅3棟54戸(RC造(4~ 5階)1棟、木造(3階)2棟以上)及び附帯施設の建設。
整備方針は、とっとり健康省エネ住宅性能基準NE-STを採用し、太陽光発電設備の設置、積極的な県産木材の活用(在来軸組工法、CLT工法の採用)を計画している。
前回発注時からヒアリング等を踏まえた見直し点
①余剰地活用→余剰地活用条件を取り止め、余剰地は事業完了後に売却する。
②コスト・規模=現時点までの物価上昇と入札までの物価上昇予測を加味して設定(約2割上昇)する。また入居者の移転希望を再確認の上、整備戸数を見直した(60戸→54戸)。
③募集期間=一時合格通知からプレゼンテーションまでの期間を延長する(3ヵ月→4か月)。
今後のスケジュール
準備・公募期間だが、令和7年度に実施方針・要求水準書作成、事業者公募を行い、令和8年度に事業者を選定する。

※以下は2025年1月24日の記事
県住宅政策課 県営住宅上粟島団地建替事業 全グループが入札辞退~30日に対応協議
県住宅政策課は、令和6年8月に調達公告した県営住宅上粟島団地建替事業について、今月(令和7年1月)に入り、参加意向を示していた全グループが辞退したため、入札を中止した。
当初の予定では、応募のあった複数のグループに対して1次審査(書面審査)を行い、1月9日に2次審査(プレゼンテーション)を行う予定としていた。
また入札辞退した複数の事業者等に対して、入札辞退に至った原因等についてヒアリングを行っており、1月30日開催予定の県有施設・資産活用戦略会議に報告するとともに、今後の進め方について再検討する。
【参考:上粟島団地建替事業の概要】
①事業方式=BT方式(Build-Transfer)=※BT方式:民間事業者が公営住宅の設計・建設を行い、竣工時に県へ所有権移転する方式
②事業範囲=建替整備業務(設計・建設業務等)、余剰地活用業務(応募グループによる提案事業)
③施設要件=建替住棟の戸数を60戸とし、多様な居住ニーズに対応する間取りを設定(1~ 4DK、車いす住戸)。その他、太陽光設備や付帯施設(倉庫、駐車場等)の要件を設定。
④余剰地活用等=余剰地面積は、1,000~ 2,000㎡とし、応募グループが県から購入。余剰地の活用方法については、入居者や周辺住民の高齢者福祉、生活利便施設、良質な住宅等の整備に関する提案を求める。
⑤想定事業費は20億0759万8千円(税込)
⑥事業期間=契約締結日の翌日から令和12年3月31日まで
【事業者ヒアリングにより判明したこと】
総括=余剰地活用、募集期間、建設コスト、応募条件等の問題が複合的に絡み、提案内容のレベルやコスト等について事業者間で調整して予算額の範囲内に収める時間的な余裕がなかつたことが、入札不調の主な要因と考えられる。
①余剰地活用
余剰地活用への参画に前向きな事業者が少なく、応募グループの形成に時間がかかった、或いは、応募グループを形成できず、応募を断念した。余剰地を活用した事業を開始できるまでの期間が長いことがリスクとなり、敬遠した。
特に、余剰地活用の用途について、福祉施設など例示した用途以外のものについて、どこまで認められるか判断しづらかった。
②募集期間
2次審査までの期間が短く、住棟規模など提案内容の見直しや、予算に収めるためのコスト削減の検討などを行う余裕がなかった。余剰地活用の検討やコストの調整等に時間を要した。
特に、1次審査を経過した後でなければ、本格的な検討には向かえなかった。県が設定した提案書作成期間だが、1次審査通過から2次審査の提案書提出までわずか:2か月だった。
③建設コスト
昨今の物価・人件費高騰などにより、当初の想定より大きく工事費が乖離した。事業期間が長期にわたるため物価高騰リスクヘの不安が払拭できず、工事費を抑えることが難しかった。
県は、物価高騰を踏まえ、事業費を20億円に増額して発注した。R6当初予算時点の想定は17.8億円だった。
④応募条件
事前ヒアリングでは、CLTの設計は県内で可能との意見であったが、実際には県内事業者に実績や知見が少なく、設計時において実績を有する県外事業者が参画しないと実施が難しかった。
※米子市彦名町の敷地8587㎡に60戸(1~4DK)を建設する取り組みだが、こんなことなら通常の簡易公募型が適切だったかもしれない。PFIは手間がかかる割には柔軟に対応できない。