鳥取市は6月12日に議会全員協議会を開会し、体育館等の公共施設のあり方を検討した。市民のスポーツ活動や地域コミュニティ、災害時の避難所として重要な役割を担う「体育館」について、将来的な利用需要を見据えた持続可能な配置や運営のあり方に関する検討を進めているが、急激な人口減少と老朽化に直面しているのが現状だ。
【1. 検討の背景と鳥取市が抱える課題】
市が抱える主な課題は、「施設の老朽化」と「人口減少に伴うニーズの変化」、そして「他市と比較して突出して多い施設数」の3点。
学校体育館(廃校後利用含む)の60% 、学校以外の体育館の82%が建築後30年経過しており 、今後の改修・更新費用の増加が大きな財政負担となっている。一方で、熱中症対策の空調整備やバリアフリー化、防災機能強化など、求められる機能は多様化しているが、老朽化と費用増加が加速しつつある。
(近隣自治体と比べ突出した施設数)
鳥取市には現在、学校体育館60箇所、学校以外の体育館51箇所の計111箇所の体育館がある。住民基本台帳人口(令和7年3月末)を基にした「体育館1箇所あたりの住民数」は1,604人にとどまり、米子市(3,182人)や松江市(2,799人)といった近隣都市と比べても、人口に対して非常に多くの施設を維持しているのが現状。
(将来的な人口減少)
市内の総人口は2020年の約18.6万人から、2040年には約15.7万人へと約15%(28,532人)減少する見込み。特に青谷(-24%)や江山(-22%)、千代南(-22%)などの中学校区では大幅な人口減少が予測されており、施設あたりの住民数や利用需要のミスマッチがさらに深刻化するとみられている。
【2. 再編に向けた「3つの視点」】
限られた財源の中で安全性と利便性を確保するため、市は以下の3つの視点から検討している。
①施設面: 老朽化対策、空調設備やバリアフリー化の推進
②配置面: 地域バランスや適正規模の考慮、複合化・集約化の検討
③運営面: 指定管理者制度や民間活力の導入、受益者負担のあり方
施設再編の考え方として「個人の利便性(自宅のすぐ近くにあること)」だけを追求するのではなく、「地域全体で考えた利便性と効率性」のバランスを取ることの重要性が示されている。
3. 今後のスケジュール
方針策定に向けて、今後3カ年をかけて段階的に検討を進めていく予定で、令和8年度(R8)は利用者数、稼働率、競技種別等の分析・評価、庁内協議(関係課WG)を実施。
令和9年度(R9)に 適正配置案・あり方検討(案)を作成、市民や関係団体へのアンケート等による意見聴取を行う。令和10年度(R10)には体育館の再配置(あり方)方針を策定する見込みだ
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