県土整備部は、令和8年(2026年)6月定例会に提出する令和8年度6月補正予算案の概要を明らかにした。今回の補正予算総額は18億8,041万6,000円(一般会計)で、補正後の県土整備部予算総額は487億9,259万7,000円。
今回の補正は、国の予算内示(国庫補助金)の確定・増額に伴う公共事業費の追加が主軸となっているほか、近年多発する自然災害や観光期の混雑を見据えた県独自の緊急対策が盛り込まれている。
1. 主な予算構成と事業内訳
補正予算の大部分は、国の財政措置を背景とした「一般公共事業」が占めている。
一般公共事業:15億10万2,000円
道路メンテナンスや通学路の安全対策、河川や山腹の防災対策など、多岐にわたるインフラ整備を強化。
単県公共事業:2,600万円
県が独自に実施する機動的なインフラ整備に充当。
一般事務費・その他:3億5,431万4,000円
新規の地域活性化事業や市町村受託事業(河川改良等に伴う道路付帯工事など)を含む。
2. 注目される主な事業トピック
■通学路安全対策事業(道路整備費):1億4,265万6,000円
児童・生徒の安全を守るため、警察や学校関係者と合同で実施した「通学路安全合同点検」で指摘された危険箇所のうち、道路管理者が対応可能な場所の整備を急ピッチで進める。既存の狭隘な歩道の拡幅(県道三代寺宮下線など)や、歩道未整備区間への新設(県道名和岸本線など)が進められており、令和12年度までの全箇所完了が目標。
■大山周辺等の危険木伐採対策(単県公共事業):2,600万円 【新規】
近年、強風や大雪による倒木で道路の通行止めや利用者の被害が発生していることを受けた緊急対策。特に令和8年4月4日には、大山周辺で強風による多数の倒木が発生し、道路が通行止めとなる被害が出た。台風シーズンを前に、道路管理上支障となる危険性の高い高木(民有地や所有者不明地を含む)の所有者調査(300万円)および緊急伐採(2,300万円)を完了させ、安全な通行を確保する。
■ よなごベイウォーターフロント活用事業:3億1,516万9,000円 【新規】
米子市が策定した「中海・米子臨海部まちづくり計画」に連動し、産官学・民間事業者が一体となった臨海部の活性化を推進する。従来の枠組みにとらわれず、民間活力を導入した新たな地域活性化への転換を図るため、有識者らを交えた検討や基盤整備を進める。
■ 鳥取砂丘周辺シルバーウィーク渋滞対策:719万5,000円
秋の大型連休(シルバーウィーク:9月19日〜23日)に発生する、鳥取砂丘周辺の深刻な交通渋滞への緩和策。県有地(オアシス広場)や周辺道路への交通誘導員の配置費用を負担するほか、周辺の混雑状況をリアルタイムで発信する「ライブカメラ」を設置。観光客へ事前の情報提供を行うことで、利用時間の分散を促す。
3. インフラ老朽化対策(インフラメンテナンス)の推進
国の内示増額等に伴い、既存インフラの維持管理予算を大幅に拡充した。
道路メンテナンス事業:7億9,854万2,000円
国道180号のトンネル補修、跨線橋や橋梁の補修など、県内31箇所で長寿命化工事を推進。
港湾メンテナンス事業:1億3,000万円
境港の一生5m岸壁の補修や、鳥取港、田後港における詳細調査・防波堤等の施設修繕を進める。
今回の補正予算は、国庫補助金の効果的な活用による「安全・安心の確保(防災・老朽化対策)」と、観光振興やまちづくりを見据えた「地域の活性化」の双方にバランスよく配分された、実効性の高い予算編成と位置付けられている。