計画・構想

県議会 皆生海岸・(新規)和田地区浸食対策~地元陳情を採択

投稿日:2021年10月08日 07:05 更新日:

 地域づくり県土警察常任委員会が7日午前に開会し、皆生海岸浸食対策に係る新規陳情を全員一致で採択した。

 新規陳情は、米子市和田地区自治連合会らが9月7日付で提出されたもので、皆生海岸の侵食対策に当たり「現在施工中の富益工区の侵食対策工事が進むにつれ、和田地区の砂浜の後退傾向が顕著となり深刻な影響が出始めている。和田地区の砂浜についても、富益工区に続き離岸堤等の抜本的対策を講じること」を要望。
 さらに、この抜本的対策を講ずるまでの間に発生した砂浜後退については、サンドリサイクルを含め、より効果的な対策により砂浜の復旧を図るよう求め、事業は「国と県(河川課)、米子市が共に協力すること」を挙げた。

【現状】
 日野川河口から境港公共マリーナまでの皆生海岸は、昭和30年に皆生温泉街付近で一夜にして浜幅約20mの侵食を受けたことを契機に、昭和35年に全国で初めて直轄工事区域に指定され、建設省(現国土交通省)による侵食対策工事が始まった。

 皆生海岸は12㎞を超える長大な砂浜海岸であり、侵食対策は海岸全体を一連の漂砂系として計画検討し効果検証しながら対策実施するなど高度な技術を必要とすること、延長が長く事業費が膨大になることから、以来、日野川河口側から直轄工事として進め、現在は順次、西側に向けて整備が行われている。

【直轄工事各工区の整備概要】
①皆生工区=昭和46年から離岸堤整備に着手し、平成14年から離岸堤の人工リーフ化に着手。
②両三柳工区=昭和53年から離岸堤整備に着手。
③富益工区=平成14年から人工リーフ整備に着手し、平成29年から人工リーフの離岸堤化に着手。
④境港工区=平成8年から富益工区へのサンドリサイクルに着手。

 現在、国は「富益工区」を事業実施中であり、人エリーフ5基のうち、中ほど3基の離岸堤化を進め、併せて「境港工区」からのサンドリサイクルを実施することで、その背後の汀線が前進傾向にあることが確認されている。

 一方、「富益工区」の整備により侵食域が西側に伝播しており、隣接する県管理区間「和田・大篠津工区」のうち、「和田工区」の汀線が後退傾向になり、直近では令和3年1月の冬季風浪により浜崖が生じるなど、今後の砂浜の侵食が懸念されている。



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【県の取組状況】
 皆生海岸侵食対策は海岸全体を一連の漂砂系として計画検討し効果検証すること、延長が長く事業費が至大になることから、現在整備中の「富益工区」に続いて、直轄工事により切れ目なく整備してもらうため、「富益工区」西側に隣接する県管理区間を直轄工事区域に指定するよう国に要望している。

【県要望状況】
 令和2年6月に開催された「中国地方整備局長と鳥取県知事との懇談会」で要望、さらに令和3年度国要望(春4月、夏7月)でも要望活動を展開。また令和3年7月の「中国地方整備局長と鳥取県知事との懇談会」でも要望した。

 そのほか、令和3年1月の冬季風浪により「和田工区」に浜崖が生じたため、3月にサンドリサイクルを実施するなど、砂浜の回復を図っているほか、国がほぼ毎年主催する学識経験者を委員長とする「皆生海岸技術検討委員会」では県も委員として出席し、既設海岸保全施設の改良に伴う技術的な課題や海岸全体の海岸保全施設計画に関して意見交換している。

【陳情理由】
 米子市和田地区自治連合会は、安心安全で住みよい地域づくりの推進を目指し、日頃から様々な活動を展開している。
 特に近年では災害の多発により防災に関する意識が高まるなど、地域を取り巻く環境は急激に変化を遂げている状況にある。
 しかしながら、住みよい地域づくりを推進するためには、行政からの支援もいただき、地域と行政が一体となって進めていくことが不可欠であると認識している。
 この度、鳥取県政に対する陳情を取りまとめたので、充分に御検討いただくとともに、実現に向けて御高配を賜りたい。

(歴史的背景)
 弓ヶ浜半島は日本最大級の砂州であり、出雲風土記には、弓ヶ浜半島を網とし、大山を杭として、能登から土地を引き寄せたという壮大な「国引き神話」にも登場する美しい地域として住民に愛され、江戸時代から伝わる伝統行事「とんど」の神聖なエリアとしても住民が一丸となって保存に取り組んでいる。

 さらに令和2年3月に全線開通した「白砂青松の弓ヶ浜サイクリングコース」は砂浜や松林の中を走り、海越しに霊峰大山を眺望することができる風光明媚なサイクリングコースとして国内外から多くのサイクリストや観光客が訪れ、新たな魅力ある観光資源としてにぎわいを見せている。

 皆生海岸は、昭和35年に全国で初めて建設省(現国土交通省)の直轄施工として、侵食対策が進められてきた。かつては、明治、大正時代に盛んに行われた「かんな流し」が終焉したことにより日野川からの流出土砂が減少し、昭和10年代には著しい海岸侵食が進行、その後に護岸整備、突堤の建設が行われ、一時的に砂浜が回復したが、昭和30年に再び侵食被害を受けた。

 以来、現在施工の富益工区に至るまで、順次対策工事を進めていただき、弓ヶ浜半島の砂浜が保全されてきたものと感謝している。

 しかしながら、現在施工中の富益工区の侵食対策工事が進むにつれ、和田地区の砂浜の後退傾向が顕著となり深刻な影響が出始めている。
 先述のとおり、地元住民にとって大切な砂浜であることは言うまでもないが、鳥取県にとっても全国に誇れる一大景勝地であり、確実な砂浜保全が図られるよう陳情する。

【提出者】
〇米子市和田地区自治連合会
〇和田町環境整備協議会
〇和田町マツ守り隊

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