鳥取県東部県土整備事務所河川砂防課は、令和5年8月の台風7号豪雨によって大規模な山腹崩壊等の被害を受けた鳥取市佐治町高山地内の渕尻地区において、二次災害の防止に向けた復旧治山事業を計画している。
同事業は令和7年度から令和11年度までの5ヶ年計画で進められる予定で、崩壊の拡大や土砂流出を防ぐための基盤整備を進めていくもの。
1. 経緯と事業概要~深刻な山腹崩壊と確実な対策の必要性
令和5年8月の台風7号による記録的な豪雨は、鳥取市佐治町高山地内に甚大な被害をもたらした。激しい雨水によって渓流斜面が激しく削られ、その上部にある山腹斜面が崩壊。流出した大量の土砂が下方の宅地や県道にまで押し寄せる事態となった。
現地調査では、雨水流出による斜面のオーバーハング(せり出し)や、地面の明瞭なクラック(ひび割れ)、崩壊土砂のすべり面における跳ね上がり、さらには流出土砂によって小さな河川が埋没・蛇行するなど、極めて深刻な被害と、さらなる崩壊の危険性が確認されている。
これ以上の浸食と土砂流出を食い止め、地域の安全を確保するため、以下の計画で治山事業を推進する。

事業名: 渕尻地区復旧治山事業
〇施工場所: 鳥取市佐治町高山
〇事業期間: 令和7年度 ~ 令和11年度(予定)
主要工種は谷止工N=2基(現在詳細設計を進めており、その業務により確定)。
2. 進捗状況:詳細設計および地質調査の落札者が決定
事業の着実に向けた第一歩として、鳥取県東部県土整備事務所が発注した「渕尻地区復旧治山工事に伴う測量設計及び調査業務委託」の入札が令和7年7月に実施され、広洋コンサルタントが1,320万円(予定価格15,549,000円、落札率84.89%)で落札した。
本業務の履行期限は令和8年3月16日までとなっており、今後、以下の業務が一括して進められる。
〇谷止工および斜面対策の詳細設計
〇地質調査および地盤解析一式
【入札結果】
鳥取県土・東部建築
2025年07月18日 09:02 – 土木コン
令和7年7月22日落札
●渕尻地区復旧治山工事「測量設計及び調査業務委託」
(鳥取市佐治町高山)
落 広洋コンサルタント:13,200,000(予15,549,000) (落札率:84.89%)
※成果品:1310万円、調査:1210万円
【備考】鳥取県土6月25日公告。簡便型(一括)・土木コン・県内・事後。令和8年3月16日。谷止工、斜面対策詳細設計、地質調査、地盤解析一式。河川砂防課・竹内(ひ)。
3. 今後のスケジュールと課題・対応方針
事業は今後、令和8年度にかけて調査・設計を固め、令和9年度からの工事着手をめざす。
【整備スケジュール(予定)】
令和7年度~令和8年度: 測量調査、地質調査、地盤解析、詳細設計の実施
令和9年度以降: 対策工事の本格着手
今後の課題と地元への協力依頼
対策箇所の上部には農地が広がっており、事業を安全かつ効果的に進めるためには、周辺環境の包括的なケアが欠かせない。令和8年5月、同事務所から鳥取市にたいして、以下の点について連携と地元調整への協力が呼びかけられている。
〇上部農地の崩壊防止対策
〇水路(青線)の整備
〇円滑な工事推進に向けた地元住民・関係者との調整
災害の爪痕が深く残る渕尻地区において、地域住民が安心して暮らせる環境を取り戻すため、ハード・ソフト両面での確実な事業推進が期待されている。