この8月に「田んぼでスマホ充電」(令和3年8月14日)
という記事を掲載したが、その後の経過を報告させていただく。
一部の県会議員らがその研究実験の成果に強い関心を持っているようだ。

(写真は鹿野町の実験用水田。鳥の劇場から近い)
まず、この発電の基本的な部分だが、
①発電システムは、山口東京理科大学電気工学科の森田廣教授が開発。
②システムの実用化は、東伯郡北栄町東園583番地の㈱鳥取再資源化研究所(代表取締役 竹内義章)が手掛けており、鹿野町の水田で基礎実験を進めている段階。当初は鳥取大学が開発拠点だったが、鳥取環境大学も研究に参画した。
③発電能力は水田1反(300坪)で4人家族10世帯分の電力を発生。水と土があれば、基本的にどこでも発電可能。水田をはじめ耕作放棄地やため池、休耕田、また公共下水道や農業集落排水処理施設でも発電できる。
④中山間地の耕作放棄地に貯水すれば、発電しながら治水ダムとして機能し、また里山に新たな水環境を創出することで鳥獣害を軽減できる。
⑤元々、電気が通っていない発展途上国用の発電施設であり、低コストでメンテナンスも容易。また原子力や火力、水力、風力などと比較して圧倒的に環境負荷は少ない。
~という従来の発電システムとは全く異なる特徴を持っている。

【実験経過】
令和3年4月から、鹿野町の水田(10m×10m)で基礎実験を開始。ポーラスαというガラス発泡材で微生物が発電する上で、最も効率的な発電条件を探した。発電ユニットは約70通りの条件を試している。
実験は令和4年3月まで行い、1年を通して発電量の変化などのデータを収集。令和4年4月から規模を拡大して本格的な実証実験に入る。

(発光するLED)
【鳥取市】
鳥取市企業立地課は、この事業を全面的に支援しており、9月補正で1700万円の補助を決めた。今回の補助は「マスメディアやウェブサイト、YouTubeに発電事業の概要を知らせる」ことがメインだそうで、4年度から実証実験に向けてさらに公的に補助する。
担当者は「一集落の全ての電気をまかなうようなマイクログリッド発電を将来の目標にしたい」という。
また県東部の県議が北栄町の研究所を視察したり「農協が発電事業に取り組んではどうか」といった話も水面下で始まっており、事業化までまだ4~5年かかりそうな雰囲気もあるが、水田や耕作放棄地が発電することで、地域を再生する「足がかり」になりそうだ。

(システムは至ってシンプル)

(ガラス発泡体。もともとは途上国や砂丘地で農地の保水能力を高めるために開発した。現在はモロッコで取り扱い中)
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