県土整備部河川課と危機管理政策課は、気候変動による水害リスクの増大に備えた流域治水関連法が改正されたことを受け、法に対応した新たな浸水想定区域図を作成するほか、大路川などをモデルケースに氾濫をできるだけ防ぐ対策を検討。順次県内全域に展開する。
4月28日に流域治水関連法(9法)が改正され、流域全体で取り組む「流域治水」の実行性をより高めることが可能になった。国は令和3年10月の施行をめざしていることから、鳥取県もこれに追従する。
※注:流域治水関連法とは、特定都市河川浸水被害対策法、水防法、土砂災害防止法、都市計画法、都市緑地法、建築基準法、防災集団移転促進法、河川法、下水道法の9法。
関連法の改正点と県内対応状況(報告)
1 主な改正点
◎流域治水の計画・体制の強化
①[特定都市河川浸水被害対策法]
流域水害対策計画を適用する河川指定要件を緩和し、大都市だけでなく自然的条件でも適用可能とした。
②[特定都市河川浸水被害対策法]
特定都市河川の河川管理者や下水道管理者、都道府県知事、市町村長が協働して流域水害対策計画の検討に係る協議会の創設する
③[特定都市河川浸水被害対策法]
様々な主体が流域水害対策を確実に実施する
◎氾濫をできるだけ防ぐ対策
①[特定都市河川浸水被害対策法]
民間事業者の雨水貯留浸透施設の整備支援のための認定制度や補助制度等を創設する。
沿川の保水機能を有する土地を確保するために、盛土や塀などの設置行為を規制する制度を創設(貯留機能保全区域の指定)
②[都市緑地法]
雨水の貯留浸透機能を有する都市部の緑地保全制度の創設
③[下水道法]
下水道の樋門等の操作ルールの策定を義務付ける制度の創設
◎浸水等被害対象を減少させる対策
①[特定都市河川浸水被害対策法]
浸水被害を減少させるために住宅や要配慮者利用施設の開発・建築行為を規制する制度の創設(浸水被害防止区域の指定)
②[防災集団移転促進法]
防災集団移転促進事業の対象範囲の拡張
③[都市計画法]
災害時の避難先となる拠点を整備するための都市計画制度の創設
◎浸水等被害の軽減対策
①[水防法]
・想定最大規模降雨による洪水ハザードマップの作成を中小河川に拡大
②[水防法][土砂災害防止法]
・要配慮者利用施設が避難訓練を実施した際に訓練結果について市町村への報告を義務化、その上で市町村が要配慮者利用施設に対して助言・勧告できる制度の創設
2 対応方針
①法施行に向けた対応
今後、国は自治体と意見交換しながら「特定都市河川浸水被害対策法」の施行規則や運用ガイドラインを検討する予定。県土整備部では県内の河川流域や地域に即したガイドラインとなるよう国に働きかける。
②対策実施に向けた対応
①氾濫をできるだけ防ぐための対策・被害対象を減少させるための対策
県内の流域治水の先行モデル(大路川)などで、住民との合意形成を図りながら対策法を検討し、他流域にも展開していく。
②被害軽減のための具体的な対策
法施行後の10月以降、速やかに新たな浸水想定区域図作成に取り掛かる。また要配慮者利用施設に関しては、該当施設への助言を含め適切な対応を市町村に依頼する。