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コラム 市民交流棟建設で「不適切な事例」~鳥取市包括外部監査について

投稿日:2021年04月19日 07:35 更新日:

 さて、鳥取市包括外部監査の結果が令和3年2月8日に公表され、監査人の政田孝税理士が市民交流棟建築工事入札にについて「6件の指摘事項と21件の意見」を取りまとめ「鳥取市の対応は社会通念上適当でない」と厳しく指摘した。
 2月9日付けで日本海新聞がその概要を掲載したのだが、記事の扱いがいわゆる「ベタ記事」で見出しも小さく、紙面の最下段に掲載されていて、気づかなかった方も多かったのではないかと思う。政田税理士は「新庁舎建築事業の財務事務は市民の関心が高く監査対象に選んだ」そうだが、その割に地元紙の扱いは小さい。そのような理由から改めて取り上げさせていただくことにした。

【日本海新聞記事内容】
 日本海新聞によると、「本庁舎棟に隣接する市民交流棟の建設工事を市内業者に発注したが、入札では応札額が予定価格を超えていたため不調に終わった。最低価格を提示した業者との交渉も「予定価格以下での受注は困難」との結論に至り不成立となった。そこで、鳥取市は工期を優先し本庁舎棟建築を受注したゼネコン共同企業体と追加の随意契約を締結した。
 監査人は共同企業体と契約した原因を「市内業者の受注が困難な予定価格の設定と厳しい工期」と指摘。また、変更契約で建設費を増額し、結果として当初の予定価格を上回ったことも「社会通念上適当でない」と意見した。
 深澤市長は「真摯に受け止め、今後の対応にしっかり取り組みたい」と述べた。
~以上が日本海新聞の記事内容だ。

 補足すると、今回の包括外部監査の結果は3月定例市議会の全員協議会でも報告された。傍聴したところ、監査委員4名のうち2名が約20分にわたり、今回の不適切な事例について市議会議員に報告している。全員協議会は1時間程度開催されており、その3分の1を監査報告が占めたのである。その割に市会議員の反応は芳しいものでは無かった。残念なことだ。

【疑問・予定価格を上回る契約】
 疑問点を指摘させていただくと、
●ゼネコンも市内業者も受注できない予定価格の積算
~当初、東洋建設が示した見積価格は「予定価格内であり、受注に意欲を示した」ことから、鳥取市庁舎整備局は市内業者とのネゴを無断で破棄し、東洋建設と随意契約を締結した、という経緯がある。
 ところが市内業者だけでなく、結局、東洋建設も予定価格内で建設できなかった。そのため、変更契約により「当初予定価格を上回る契約を締結」したことが、今回の包括外部監査で明らかになった。

 そもそも、今回の新本庁舎建設事業は異様に低い予定価格により、ほとんどの入札が予定価格以下で受注できず、東部建設業協会をはじめ電業協会、管工事業協会が質問書を鳥取市庁舎整備局に送付し説明会の開催を求めた。鳥取市制において過去に前例のない、きわめて異例の事態となったことは記憶に新しい。

 そして説明会の席上、深澤市長と小林庁舎整備局長らは「予定価格は絶対変更しない」と明言した。それがなぜ東洋建設には増額(変更契約)を認めたのか。市内業者には金額変更を認めず、ゼネコンの増額要請に応じた理由は何か。このあたりの経緯が不明朗であり、合理的に説明すべき事柄だろう。

 言うまでもないことだが、鳥取市新本庁舎は鳥取市長や庁舎整備局のものでは無い。市民のものだ。また建設費の多くを占めた合併特例債は、広域合併に理解を示し協力した市民のために、国が送付したものだ。
 繰り返すが新本庁舎は市民のものであり、この建設事業に関わった多くの建設業者もまた、鳥取市民である。鳥取市民を疲弊させ、後々禍根を残す入札・契約を繰り返したことについて、鳥取市は改めて丁寧に説明すべきだろう。さもなければ、また同じことを繰り返す。

 幸いなことに、日本海新聞の取材にたいして深澤市長は「真摯に受け止め、今後の対応にしっかり取り組みたい」と述べた。不適切な対応を繰り返したことについて「今後本格的な内部調査を実施し徹底的に原因を究明する」という決意の表れだろう。
 建設業協会をはじめとする業界団体もまた、あらためて説明会の開催を申し入れ、その調査に全面的に協力すべきと考える。鳥取市と連携し不祥事の原因を究明することが、業界団体の重要な使命であり、市民の鳥取市への信頼回復を得る最善の手段といっても過言ではない。

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