〇先月末のことだが、鳥取市の臨時議会終了後、突然「NHKが移転するって記事、あんた書いたのか」と某市議が話しかけてきた。寝耳に水の話だ。
「私ではありません。別の新聞社でしょう。日本海さんとか」。
「そうか。でもあんただって聞いたんだけどな」。
だいたい、NHK様には何のご縁も人脈も無い。「どこに移転するんですか?」などと突撃取材したところで、たちどころに警備員に取り押さえられ、袋川に放り込まれるのがオチだ。
「すみません、なにかあれば必ず連絡しますので」と直立不動で頭を下げたのだが、残念ながらまったく見当がつかない。どうすべ。
こうなれば建設業界の裏表に精通した人物に頼るしかない。ミスターA氏(仮名)だ。クモの糸のように情報網を張り巡らせ、東町から幸町、弥生町まで最新の建設情報から某政治家のスキャンダルまで知り尽くした「やり手」だ。
さっそく電話をかけ、その真相に迫った。
「・・・というわけなんですが、なにかご存じではありませんか」。
「なんだ、またあんたか。そりゃ教えてやってもいいが、あんたすぐ弥生町の某スナックでしゃべるからなぁ。ママにモテたいんだろが」。図星だ。しかし、ここで引き下がるわけにはいかない。
「いや、それは誤解です。10年前に痛風を患ってからすっかり酒を控えるようになり、今では毎晩写経して人間が生まれ変わったようになったと評判です」と”まごころ”をお伝えすると、ようやく裏話を教えていただくことができた。やはり世の中、人間性や人柄が大切だ。
〇そんなわけで、A氏の情報を列挙すると、
・数年前のことだが、NHK鳥取放送局に、Kさんという美貌と才能と家柄の三拍子が揃った美人局長が在職していた。
・この方が老朽化した放送局の建替え場所を探していて、ちょうど幸町へ移転話が持ち上がっていた鳥取市役所跡地(尚徳町)に注目した。放送局の適地と考えたのだ。
・寺町の現放送局の敷地は約9000㎡。尚徳町の敷地は約2万㎡。敷地の半分程度を譲ってもらえれば、中心市街地の一等地に建設できる。
・ところが、2~3年前にK局長が異動したことで事態が変わった。推進役がいなくなったのだから大きな痛手だ。結局、局長の関係者が鳥取市と交渉したらしいが、いい具合にまとまらなかった。某市議もいろいろ相談に乗っておられたのではないかと思う。しかし、問題があった。
・そもそも放送局というのは特殊な建物で、まずセキュリティを最優先しないといけない。テロリスト対策だ。奴らは事を起こす時、まず放送局を占拠する。そんな建物が、市民の憩いの場の隣にあっていいはずがない。鳥取市もそのあたりで難色を示したのではないか。
~というわけで、話は白紙に戻ったらしい。結局、どこに移転するのか謎のままだが、老朽化した建物をこのままにすべきでないのは明白だ。移転先が早急に決まることをお祈り申し上げたい。