鳥取市観光・ジオパーク推進課は、環境省、鳥取県と共同して整備する「鳥取砂丘西側エリア滞在型観光施設」について、今後の整備方針を明らかにした。
サイクリングターミナルや柳茶屋キャンプ場、こどもの国キャンプ場の3施設を民間事業者に貸付け、キャンプやグランピングを中心とした滞在型観光の拠点として展開するもので、このうち砂丘休憩舎とビジターセンターの建設と、柳茶屋~こどもの国キャンプ場を接続するアクセス道などを鳥取県が整備する。砂丘休憩舎はこのほど設計業務を入札し、保木本設計が受注した。
参考・9月9日:県営繕課・柳茶屋休憩施設改修工事概要
また、運営事業者は令和4年1月に公募するほか、同秋頃から砂丘休憩舎など拠点施設整備に着手する。
【周辺施設の整備予定】
①令和3年度=ワークプレイス拠点「サンドボックス」整備。鳥取市補助金(最大9000万円)を活用し、㈱skyerが整備する。
②令和4年度=ビジターセンター西側施設(環境省)と砂丘休憩舎(鳥取県)の一体的整備(県が実施)
③令和5年度こどもの国開園50周年(関連した整備計画・イベントが期待される)
④令和6年度=リゾートホテル開業(現在凍結中)
【鳥取市経過】
今年5月に鳥取県と共同で鳥取砂丘西側エリアでの滞在型観光施設の整備に関するサウンディング型市場調査(ヒアリング)を実施し、11グループ(県内5事業者、県外6事業者)から事業計画などの取り組みを聞いた。
その結果、
①鳥取砂丘という立地を活かして、対象施設を一体的に活用したキャンプやグランピングを中心としたサービスを民間事業者が展開することは十分可能であり、砂丘の他の事業者や施設との連携による波及効果や、地元企業の参入などが期待でき、砂丘西側の核となる施設となりうる。
②両キャンプ場の距離やアクセス、こどもの国との管理区分、施設の老朽化などの課題も多く、事業者の募集にあたっての条件の検討や、市・県による施設整備の検討など、より良い事業が実施できるよう市・県で協議、調整の上で事業を実施することが求められる。
上記の要望や提案を受けて、鳥取市と県は9月から基本方針や募集内容を精査。12月に連携協議会を設立し、関係条例の廃止・整理を行う。
令和4年1月に事業者を公募し、4月に最優秀者を選定。協定締結後、9月から施設整備・開業準備に入る。令和5年4月のオープンをめざす。
【対象施設の活用、整備に係る基本方針】
またキャンプ場などの整備基本方針として、
①キャンプ・グランピングなどを中心とした民間事業を公募する。
②対象3施設を一体的に活用する提案を基本とし、施設は市・県からの貸付を想定する。施設によっては無償または有償とする。
③幅広い層の利用が可能となるよう、低廉な料金プランを含むサービスの提供を期待する。
④長期間の安定的な事業実施となるよう、鳥取市、鳥取県、事業者による10~20年の長期協定を締結する。財産の貸付は市・県それぞれと事業者が契約を締結する。
⑤事業実施に必要となる費用(施設に関するものを含む)は事業者の負担とするが、下記について市・県で実施に向けた検討を進める。
・各施設の事前の整備(両キャンプ場間のアクセスほか)
・事業者が行う施設改修にかかる支援制度の創設
・周辺公共施設の整備(道路等)
・青少年の利用にかかる助成制度の創設
【事業化への課題】

(注:上写真の黄色い線が2つのキャンプ場をつなぐアクセス道。新たなルート設定が求められている)
①一体利用のための両キャンプ場のアクセス改善、こどもの国の管理との調整、周辺施設(西側ビジターセンタ等)への通路の整備、駐車場の確保など、利便性を高めるための整備が必要。
②駅や空港、高速道路などからの域内交通や鳥取砂丘周辺での交通渋滞対策を含め、総合的に対策を進める必要がある。
③砂丘西側エリアへの入込客数増加を見越して、希少な野生動植物(特に昆虫類)の保護に関する対策も検討する必要がある。
④事業公募に向けた市・県の準備、検討事項として、
○各施設の条例廃止・改正等
○募集条件(契約期間、施設の使用料等)、審査基準(期待する内容の明確化)の検討
○市・県で実施する施設整備、事業者に対する支援制度、利用者(青少年)への助成制度
※本誌注:キャンプ・グランピングは湖山池周辺で運営する企業があるほか、岩美町陸上のアルマーレでも数年前にイベントが開催された。智頭町も旧山形小学校で実施済み。若桜町でもテント屋根を透明化したグランピング事業の噂を聞いたことがあるが、未確認。
