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デザインの基礎と写真、街歩きや景観形成への活かし方~岩美町出身の専門家に聞いてみた

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 令和8年8月30日午後、鳥取市尚徳町のとりぎん文化会館にて、デザインや都市景観について詳しいフリーランスの女子を招き、デザインの基礎や写真への応用、また鳥取市内を散策しながら街歩きを楽しむ方法などを教わった。

 講師は岩美町出身で、米子高専から国立大学法人京都工芸繊維大学建築科を卒業した小谷莉穂(りほ)さん。県外の建設コンサルタントで自治体の「まちづくり事業」に関連した基本計画策定支援等を手がけた実績を有する。現在はグラフィックデザイン(ロゴ、名刺、広告、チラシ、パンフレット)をはじめ、WEBサイト製作や広報誌の外部デザイナーなど多彩な活動を展開している。

 会社でインスタグラムやフェイスブックなどを担当するみなさんにとって、すこしでも参考になれば幸いです。

以下に講義内容を掲載させていただいた。

はじめに

 この記事は、「デザインの基礎」と「写真・街の景観」について語られた講義内容をもとにまとめたものです。専門的で堅苦しい話ではなく、誰もが普段なんとなくやっている情報整理の工夫を、あらためて言葉にして共有する、という趣旨で話を進めています。


(丁寧に作成していただいた講義用テキスト)

デザインとは「情報整理を見える形にすること」

 デザインは難しいものというイメージを持たれがちですが、根底にあるのは「情報をいい感じに整理したい」という素朴な欲求です。整理した内容を、見てすぐ伝わる形に落とし込む作業こそがデザインだと位置づけられています。

 新聞や論文のように文字が多いものでも、大きな見出しや目次があることで、内容が一目で把握できるようになっています。これは「認知負荷を下げる」工夫の一例で、ボタンが多すぎるリモコンや複雑な操作パネルが徐々にシンプルになっていく流れとも共通しています。

デザインとアートの違い

 デザインとアートは重なる部分も多いものの、あえて分けるなら次のように整理できます。

■デザイン=情報整理の手段であり、背後にルールが見えてくるもの

■アート=作り手の気持ちや感覚を、見る人が受け取るもの

デザインの4原則

 デザインには、よく言われる4つの基本ルールがあります。

1. 近接:関連するものを近くに配置し、「これは仲間である」ことを伝える

2. 整列:端を揃えて、視覚的な秩序をつくる

3. 反復:見出しのサイズやアイコンなど、同じ要素を繰り返し使うことで統一感を出す

4. 対比:本文と見出しのように、大きさや太さをはっきり分けてメリハリをつける

 普段、資料作成で無意識に行っていることの多くは、実はこの4原則に沿っています。逆にこの原則から外れた部分(形が揃っていない、整列していないなど)は目立ってしまうため、あえて注目させたい箇所に使うと効果的です。

デザインを構成する要素

 デザインは、線・形・空間・色・質感・明暗といった要素の組み合わせで成り立っています。

①線:直線か曲線かで印象が変わり、緊張感や柔らかさを演出できる

②形:四角・丸・三角など、囲みや色面によって「ここが重要」という意味を持たせられる

③空間(余白):多ければ良い・少なければ悪いというものではなく、場面に応じた余白の使い方が鍵。展示会場を例にすると、余白なくぎっしり並べる「倉庫的な展示」と、1点に集中させるため余白をたっぷり取る「美術館的な展示」の対比がわかりやすい

④色:使いすぎると散漫になるため、基本は2〜3色に絞り、本当に目立たせたい部分だけポイントカラーを使うのがおすすめ。写真を素材にする場合は、写真から色を抽出してテーマカラーにするという方法も紹介されました

⑤明暗(コントラスト):文字やタイトルが目立たないと感じたら、色よりも先に明るさ・暗さを調整してみるとよい。色覚特性を持つ人にとっても、明暗のコントラストは情報を判別しやすい手がかりになるため、一度白黒に変換して確認する方法も有効

文字・フォントの工夫

 読みやすさは、コントラストだけでなくフォント選びにも左右されます。

〇ゴシック体:安定感があり、モダンな印象

〇明朝体:品や上質さを感じさせる一方、字面の占める面積によって太く見えたり細く見えたりする違いがある

〇ゴシック体を長い本文に使うと文字が黒く詰まって見えづらくなるため、明朝体を使い分けるのも一つの方法

 見出しなどの大きな文字では、半角・全角の混在や、フォントごとの数字・記号の間隔の違いによって不揃いに見えることがあります。文字サイズを微調整(102%など、ほんのわずかな比率で)することで、見た目のバランスを整えることができます。

実践のコツ:まずルールを1つ守る

 パワーポイントやワードのテンプレートを活用するのは良い方法ですが、その中の統一ルールを自分で崩してしまうとバランスが崩れます。まずは4原則のうち1つでも2つでもいいので、資料全体で一貫して守ることが、読み手のストレスを減らす近道です。

 配置の手順としては、

1. 文字情報だけを先にテキストで置いてみる

2. 大きさではっきり強弱をつける

3. 最後に色や装飾を加える

 という順番で進めると、バランスが取りやすくなります。実例として、同じ内容でもタイトルと日付を目立たせたポスターと、交通規制のお知らせでは「日付・時間」を目立たせたお知らせとで、伝えたい情報に応じて強調ポイントを変える工夫が紹介されました。

 また、SNS投稿やチラシなどでは、投稿前に一度画像を縮小して(サムネイル表示で)確認する「引きで見る」習慣が有効だと述べられています。

写真・街並みへの応用

 デザインの基本要素(線・形・空間・色)は、そのまま写真や街を見るときの視点としても活かせます。

〇線:道路や建物の輪郭

〇形・色:伝統工芸品(焼き物、鳥取のしゃんしゃん傘の色など)

〇空間:路地など、抜けた場所に目が引き込まれる感覚

〇明暗:広い場所と狭い場所のコントラスト

 旅先で見かける昔ながらの看板の文字や、祭りの様子・生活の一コマ(洗濯物や雪かきなど)も、動きや質感を感じさせる被写体として紹介されました。実際に撮影された鳥取市内・岩美町周辺(田後、鳥取砂丘、湖山池、鳥取城の桜など)の写真を例に、季節や時間帯による色の違い、人工物と自然の対比、大きさの対比などが語られています。

鳥取市の景観計画について

 講義後半では、鳥取駅前の景観計画(令和8年3月改定予定)についても触れられ、市民から眺望に関する意見を募り、ホームページ上で眺望ポイントをマッピングする取り組みが紹介されました。多くの人に景観の見どころを知ってもらうことを目的とした施策です。あわせて、鳥取城の歴史や、防火建築帯、全国的にも珍しいとされる古い看板が今も残っている点など、地域ならではの魅力にも言及されています。

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