令和8年7月2日(木)、鳥取市立川町の東部庁舎で鳥取県測量設計業協会と鳥取県土整備事務所の意見交換会が開催された。測量設計業協会の西村支部長と米田所長のあいさつを通して、両者の見解や事業の動向・方向性をまとめた。
1. 西村支部長ら東部支部メンバー(鳥取県測量設計業協会東部支部)の見解と方向性

まず、安全な作業環境の確保を重視しているが、昨今の猛暑を教訓に、安全確保には十分に注意して作業を行っているが、状況に応じて、再度安全対策等に関する相談や協議に乗っていただきたい。
また 昨年(2025年)は大きな災害がなく穏やかな1年であったが、直近の6月下旬には局地的なゲリラ豪雨が局地的に発生している。また、既に台風7号が発生するなど例年よりも早いペースで事態が推移しており、今後の動向を懸念しているところ。
先日、鳥取県側と合同で実施した「災害初動訓練」を踏まえ、東部支部としても災害発生時には迅速かつ円滑に対応できるよう、県側と緊密にコンタクトを取りながら良い方向に進めたい。
2. 米田所長(鳥取県土整備事務所)の見解と方向性

地域整備の「上流(調査・測量・設計)から下流(施工・積算等の外注)」まで広く携わっていただき、地域の安全・安心を担う測量設計業界を「不可欠なパートナー」として強く認識しており、日頃の協力や災害時の初動対応への貢献に深く感謝している。
さて、現在は大きな雨の被害はないものの、3年前(2023年)の8月盆期間中に発生した大雨災害のように、災害はいつ起こるか分からないという危機感を抱いている。
また、2023年(令和5年災)の台風被害箇所の復旧については、ほぼ100%に近いところまで完了しつつあるが、ひとたび災害が起きれば調査・測量・設計というプロの技術力が不可欠になる。有事の際の協力をあらためてお願いしたい。
予算確保の動向と課題
何よりも「業務量の確保(予算確保)」を大きな課題として捉えている。全県的にみれば、国と県の予算を合わせれば財源が確保できている状況にあるが、県単独の予算に関しては、国の支援を伴う大規模事業に予算が割かれている関係上、前年度割れしているのが現実。
今後については、補正予算に頼った編成になる懸念など不透明な要素はあるものの、次年度以降も含めて当初予算の確保に向けて全県を挙げてしっかり対応していきたい。
東部地区における具体的事業の動向
道路事業だけでなく、南北線整備なども控えているが、これらはまだ事業実施に向けた準備段階にある。
また河川の主要な箇所での課題、住民の命を守るための土砂災害基礎調査など砂防事業について、事業化を進めるべき箇所など、東部地区には今後も対応すべき案件が数多く控えており、予算確保と合わせて進めていきたい。
人手確保への対応
県組織自体も職員の人材確保が大きな課題となっており、今後は職員数が減少していくことが確実視されている。職員が減ったとしても適切な業務発注・事業実施を維持するため、業務の「下請け化」等の課題も含め、県内部の体制と合わせて業界側とどのように協力していくべきか、今後しっかりと検討していきたい。
3. 事業の発注動向と今後の予定
発注見通しの作成
当初予算に基づき、測量、土木コンサル、地質、補償関係などの「発注見通し一覧」を作成し、すでに一部は発注あるいは手続きが進んでおり、業界側の意見を聴きながら作成した見通しに沿って推進している。
発注状況の推移だが、令和8年度の委託費等の合計は約9億円、発注件数は61件となっており、前年度8億8,000万円・70件と比較すると、金額ベースでは増加している。しかし、1件あたりのロットが大きくなっているなどの理由から、発注件数自体は減少した。
今後の発注予定
現在の予算のうち、まだ発注していない残案件は20件、金額にして約2億3,000万円弱だ。今後の補正予算の動向については、財政状況が厳しくなる見方もあるため不透明ではあるが、予算の状況を注視しながら慎重に業務を進めたい。
総括
両者のあいさつから、単なるビジネスライクな関係にとどまらず、地域の安全を守る「対等なパートナー」として深く信頼し合っている空気感が伝わってきた。特に予算の減少や人員不足といった、地方が直面しているリアルな課題に対しても、お互いに歩み寄って解決しようとする姿勢が印象に残る会合と受け止めている。