鳥取県におけるツキノワグマ出没・事故防止に向けた取り組み
令和8年7月1日、智頭町役場などにツキノワグマが出没し大騒ぎとなったが、鳥取県では、ツキノワグマの日常生活圏への出没に備え、人身事故等の未然防止に向けたさまざまな先進的・実践的な取り組みを展開している。
以下にその取り組みを紹介することにした。
1. 組織体制の強化と広域連携
~ 「クマ対策室」の設置~
2026年(令和8年)4月1日、中国地方で初となる専門組織「クマ対策室」を設置し、体制を強化。また5月25日に開催された中国地方知事会では、保護管理ユニット毎の協議会による情報共有や対策の連携、市町村別の捕獲・目撃情報の共有などを継続していくことを確認した。
2. 春から初夏にかけた実践的な研修と会議
親子グマが冬眠から覚めて活動が活発になる時期に合わせ、県民への注意喚起や関係者間の情報共有、技術習得を進めてきたほか、ツキノワグマ被害防止連絡会議を4月と6月に開催し、関係機関(市町村、県警察本部、鳥取県猟友会、農協、森林組合など)が集まり、情報共有や島根県での人身被害発生を踏まえた対応方針の確認を行っている。
4月20日には追い払い研修会を実施、集落付近に出没した際を想定し、動物駆逐用煙火(花火)を用いた追い払いの知識・技術を習得する研修を実施したほか、緊急銃猟実施者育成研修を6月16日〜18日に開催し、安全で的確な緊急銃猟を行えるよう、知識の習得や対応力の向上、関係者間の顔合わせを目的に県内3地区(東部・中部・西部)で実施した。
3. 多角的な啓発活動
5月2日にテレビ番組「キニナルとっとり+」で特集番組を放映。新聞、ラジオ、県ホームページ、SNSなどを活用し、県民への継続的な注意喚起を幅広く実施中だ。
今後の対策(予定)
鳥取県では、これまでの研修成果を踏まえ、夏以降もさらに実践的な対策を予定しており、8月上旬には ツキノワグマ出没対応実施訓練を開催。日常生活圏へクマが出没した事態を想定し、緊急銃猟制度に基づいた一連の対応の流れを確認する「研修及び実地訓練」を行う計画。これにより、有事の際に関係機関がより迅速かつ安全に連携できる体制をめざす。
【参考:近年の出没状況について】
直近10年のデータによると、年によって出没件数(目撃、痕跡、捕獲等)に大きな変動がみられている。2026年(令和8年)は6月19日時点で計47件の出没情報が寄せられた。
なお、これらの情報には他の中型野生動物との見間違いの可能性や、報道の増加に伴って通報が増える傾向も含まれているが、県では引き続き警戒と対策を呼びかけている。