鳥取市農林水産部は6月18日、令和8年6月市議会定例会の席上で農林水産業の振興や基盤整備を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出した。歳出補正額は9,494万4,000円で、補正後の総額は36億5,703万円にのぼり、国・県の支出金や森林環境譲与税などを財源に、意欲ある担い手への支援や生産性の向上を目指した多様な事業を展開する。
今回の補正予算における主要な取り組みと注目事業を以下に掲載する。
1. 農業分野:生産拡大と担い手支援に重点(農政企画課)
農業分野では、スマート農業の導入や、米の増産、遊休農地の再生など、持続可能な農業体制の構築に向けた予算を手厚く配分した。
令和の米増産緊急支援事業(2,360万8,000円)
主食用米の作付面積拡大を計画している個人や法人、集落営農組織に対し、必要な農業機械の導入を支援し、米の生産体制を強化する。
集落営農体制強化支援事業(1,138万4,000円)
集落営農組織が掲げるビジョンの実現に向け、必要な機械整備などを補助し、地域の農業維持・発展を後押しする。
機構活用遊休農地再生利用事業(536万7,000円)
効率的な農地利用を推進するため、耕作放棄地となった土地の草刈りや抜根などの再生作業にかかる費用を支援。
■高草地域=鳥取市中村=50a 200万円
■国府地域=国府町玉鉾=20a 179.3万円
■気高地域=気高町勝見=30a 157.4万円
麒麟のまちうまいもん販路拡大事業(130万円)
関西圏におけるマルシェへの出店や、アンテナショップ「麒麟のまち」でのイベント開催を通じ、鳥取の農産物の認知度向上と販路拡大を狙う。
スマート農業推進事業(47万3,000円)
農作業の負担軽減や効率化に寄与する「スマート農機(機械・設備)」を導入する農業者を支援。
2. 林業分野 ICTを活用した「森林イノベーション」の始動(林務水産課)
林業分野では、最先端技術を活用した省力化や安全対策に予算を投入する。
森林産業イノベーション推進事業(1,000万円)
林業における生産技術向上や省力化、経営効率化を図るため、「スマート林業技術」の開発・実証を支援する。
具体的には、鳥取県森林組合連合会等を対象に、林業用ドローン(センシング、散布、運搬用)や高性能林業機械(ハーベスタなど)の導入・リース、さらにドローン操作技術等の習得にかかる受講経費などを幅広く補助する。
危険木等事前伐採推進事業(145万9,000円)
倒木による孤立集落の発生を未然に防ぐため、危険な樹木の事前伐採を推進する経費を助成し、地域の防災力を高める。
■河原町小河内の危険木伐採(2箇所)。
3. 農村整備分野 インフラの長寿命化と防災対策(農村整備課)
農業に不可欠な水利施設の維持管理や防災減災対策として、以下の事業を推進する。
農業水路等長寿命化・防災減災事業(2,850万円)
老朽化が進む農業水路などの長寿命化を図り、災害を未然に防ぐための補修・整備を行う。
■叶地区樋門改修工事=1000万円
■気高町宝木地区樋門改修工事=1850万円
まとめ
今回の鳥取市農林水産部の補正予算は、スマート農業・スマート林業といった次世代技術への投資を進めつつ 、米の増産や耕作放棄地の再生といった足元の課題にも即効性のある支援を行う、攻守のバランスが取れた内容となっている。資材高騰や担い手不足に悩む生産現場の活性化につながることが期待されます。