令和8年6月12日、八頭町6月定例会が開会し、矢部啓祐町長が所信表明を述べた。
矢部町長は「20年後も豊かに暮らせる町づくり」をテーマに掲げ、バックキャスティング(あるべき姿から逆算する思考)による町政運営を行う姿勢を示した。物価高騰や人口減少社会といった課題に直面する中、公約である3つの重点政策を中心に、持続可能な地域社会の実現を目指すとした。
町長が表明した3つの重点施策を簡単だが紹介したい。
3つの重点政策
1. 人口減少対策(子育て・移住・定住)
〇子育て・教育環境の充実: 給食費無償化や米飯提供といった町独自の保育環境を維持。産後ケアの民間連携による充実や、仲人型を強化した独自の婚活支援を推進。
〇住まいの確保と定住促進: 年間400人以上の町外流出(特に鳥取市への転出)を食い止めるため、空き家実態調査と空き家バンクを強化。「25年住み続けたら無償譲渡される住宅制度」の創設に挑む。
2. 地域ケア体制の強化(高齢者支援・地域医療)
〇移動・買い物支援: デマンドタクシー等の実証結果を基に「生活交通システム」を構築。「ネットワーク型コンパクトシティ」を目指し、郵便局や民間の力も借りて買い物支援を実施。
〇医療・福祉の安定: 広域連携による巡回診療などの誘致、予防医療や「プレコンセプションケア(将来の妊娠を見据えた健康管理)」の普及。地域密着型サービスの強化や共生社会の実現。
3. 地域内経済の向上と公共施設のあり方
〇雇用・産業振興: 「隼ラボ」を核とした起業支援に加え、今後5年間でスタートアップや地元企業への支援を強化。ふるさと納税の専門チームを立ち上げ、自主財源の増額を図る。
〇公共施設の再編と対話: 合併から20年が経過し、一斉に大規模改修を迎える公共施設(体育館・図書館・保育所・小学校など)の適正規模化を検討。住民との「対話」を重ねながら行政案を示していく。
【今後の町政運営】
「施策の選択と集中」を行い、短期・中期・長期の視点で財政運営の持続可能性を確保しつつ、新体制として新たな挑戦へ全力で取り組む決意を述べている。