県警察本部は、令和8年6月定例会に上程した一般会計補正予算を公開した。補正予算額は4838.4万円で、補正後の予算総額は188億9498.9万円。
今回の補正予算は、主に「重要施設のインフラ安定化」「地域防犯力の強化」「サイバー犯罪捜査の拡充」の3つの柱に重点が置いている。
その具体的な内容と特長を以下に説明する。
1. 警察財産管理費:重要システムの確実な電源確保
補正額: 31,918千円 (非常用発電設備遮断器更新:547.8万円、UPS蓄電池更新:2644万円)
(概要)
治安維持の要となる「通信指令システム」や「交通管制システム」といった重要設備が、災害時や停電時にも確実に作動するよう、警察本部庁舎内の自家用電気工作物の機器更新を行う。
〇令和8年1月と2月の定期点検時に不具合が判明した、非常用発電設備(遮断器の開閉装置)と無停電電源装置(常用系の蓄電池)の一部更新を迅速に行う。これらは2系統運用されているうちの異常が見られた箇所などの部品・蓄電池交換だが、同様のトラブルを未然に防ぐため同時期に設置された正常な設備も含めて併せて交換する。
2. 生活安全活動運営費:街頭防犯カメラの設置・支援
補正額: 6,291千円
債務負担行為(リース契約等): 5,520千円(令和9年度~13年度)
(概要)
県内の刑法犯認知件数の増加傾向を受け、犯罪の未然防止や事件発生時の迅速な捜査に役立てるため、鳥取、倉吉、米子、境港の主要駅や繁華街などを中心に街頭防犯カメラを設置・拡充する。
(特長:官民一体となった防犯体制の構築)
本事業の大きな特長は、「県警による直接設置」と「地域住民への補助」を組み合わせたハイブリッドな展開にある。
〇県警による設置: 犯罪頻発箇所などへリース方式で5台を設置する。
〇地域組織への設置補助(街頭防犯カメラ設置補助金)
商店街組合や自治会などの自治組織を対象に、設置経費の4分の3(上限75万円)を補助 。さらに、県警が事前に指定・公表する「重点区域(主要駅や繁華街の近隣地区)」に関しては、補助率10分の10(全額補助)、上限100万円まで引き上げる手厚い支援体制を構築する。
3. サイバー犯罪対策費:スマートフォン解析資機材の増強
補正額: 10,175千円
(概要)
サイバー空間における脅威へ的確に対処するため、犯罪捜査で不可欠となっているスマートフォン等のデータ解析用資機材を増強・整備する。
(特長)
近年、あらゆる犯罪において情報の入手、連絡、共謀、さらには証拠隠滅の手段としてスマートフォンが使われるケースが常態化している。客観証拠の収集という観点からもスマートフォンの解析データ抽出は必須となっているが、現在はその解析依頼が急増。今回の補正予算により最新の解析資機材を整備することで、激増する捜査需要へスピーディーに対応できる体制を整える。
【財源の内訳】
今回の補正予算の財源は、国庫支出金(600万円)、地方債(2300万円)、一般財源(1938.4万円)により充当する。
(まとめ)
令和8年6月の鳥取県警の補正予算は、インフラの強靭化といった「守り」の施策から、防犯カメラを通じた地域との連携、日々巧妙化するサイバー犯罪への「攻め」の捜査基盤強化まで、時代に即した治安維持対策をバランスよく盛り込んだ内容と評価されている。