計画・構想

県立博物館 耐震改修と設備改修について

投稿日:2026年02月05日 02:57 更新日:

 令和8年2月4日、県立博物館では協議会を開催し、同館の耐震改修、設備改修について協議したが、令和7年9月県議会での鳥羽議員、野坂議員らの質問と知事、教育長らの答弁を取り上げた。以下にその概要を掲載した。

2024年12月5日:県立博物館耐震改修方針詳報

令和7年9月議会(代表質問)(抜粋)

■鳥羽議員
 38ヶ月にわたる長期の体館や多額の公費がかかるのであれば、単なる耐震、設備改修にとどめず、より来館者を呼び込めるようなリニューアルの視点をあわせ持つことで、県民の理解と期待を一層得られるのではないか。
特に鳥取市では、新しい美術館の整備を求める声もあり、こうした動きと歩調を合わせることも検討の余地があるのではないか。
知事には、現在の耐震改修に関する全体的な状況、リニューアルを含めた方向性について、どのように評価されていらっしゃるのか所見を伺う。教育長には、長期の工期や費用が増加する可能性について、教育長としてどのように受けとめておられるのか伺う。

■平井知事
 今、慎重に教育委員会で調査、検討されているところでありまして、我々としても執行部としてフォローアップをして、それを応援していきたいと思っております。
 厄介なのは、費用はかさむということで今教育委員会も検討されているのでありましょうけれども、あそこの場所が史跡鳥取城跡附太閤ヶ平の一部になっています。それが文化財保護法の関係で、やはりいろんな制約がかかるのですね。

 例えば、鳥取西高も実は20数年、30年近く前ですか、あれを移転するだしないだという議論が実はあって、鳥取西高をここに置かないと、校歌と違ったことになるとかいって怒った議員もまだおられますけれども、そういうようなことがいろいろあって、結局残そうということになって、そうすると耐震化だとかいろいろ考えなければいけない。しかし、あそこは杭が打てないのです。ですから、まともな建て替えはやはりできないのですよね。それで、確かベタ基礎にしたりとか、いろんなことをやって、国の許可をようやく取ったという記憶があります。
 だから、博物館もあまりいろいろとやろうとすると、今度は文化庁からストップがかかりかねない。事前協議が整わないということにもなる可能性もありまして、そういう意味で慎重にやらざるを得ないということがあります。

■教育長
 現在地が鳥取城跡であり、長年親しまれてきた場所であることや、博物館には鳥取に鳥取藩にまつわる様々な文化遺産もたくさん収蔵してあることから、この博物館を何とか改修して、広く東部地区の拠点等としていくことができないかというふうな方向性を持って、検討を進めているところです。
 耐震工事が特殊な場所であるがゆえに難しいことから45億円ですとか、慎重に進めるがゆえに、工期が非常に長くなるというふうな現状が見えてきたところです。

 それらを踏まえて、この長期休館の懸念と費用面の懸念を慎重に考えていくべきだというふうに思っているところです。東部地区の拠点であることは、これはもう、揺るぎのないところでございますが、今やっぱりすべきであるのかどうか、そして今後の動向がどうなのかということを改めて、検討を丁寧にすることが必要だろうと思っております。

 併せて、仁風閣が文化保存修理のために6年間にわたつて閉館をしておられます。そういつたこともあわせながら、今止めるべきなのか、休館すべきなのかということが、審議会の委員の方にも再度ご意見を伺うなど、やはり、来年の大河ドラマでこの豊臣兄弟が放映される予定もありますが、鳥取藩もそういう意味では、この豊臣と、非常に縁のあるところでもあり、そういったことも含めれば、今博物館をどうすべきかということについて、より慎重にならざるをえないというのが現状でございます。

 もちろんご指摘の通り、遅れれば工期もそしてまた、その費用もかさむということはございますが、それらもにらみながら、この踏み出すタイミングというのをよく見極めて、この東部地区における文化芸術の拠点博物館の存在をしっかりと意義あるものにしていけるような形で検討を進めて参りたいと思っています。

■鳥羽議員
 慎重に協議していただけるということだと思いますけども、どうしても考えてしまうのは、美術館が100億円で立ち上がりましたが本当にフルスペックです。中部議連でも、収蔵庫視察に行きましたけども本当に最新鋭の空調設備だったり、防火設備も幣えていて、当然、来賓室だったり、展示室も素晴
らしいもので100億です。

 一方で、県立博物館の改修っていうのは、耐震と設備補修。しかもその設備も補修したとしても県立美術館のそれとは追いつかないということであります。100億と50億、経済的、費用対効果を考えるとどうしても考えぎるをえないというところが正直な感想でございますので、申し上げたいのはもう立ち
どまって、前向きな議論といいますか、より良い博物館を魅力あるものにするためにはどうすればいいのかという観点でですね、ぜひ協議をしていただきたいなというふうに思っています。

■野坂議員
 耐震改修で一定期間閉館し、さらに、今後予定されている施設設備の改修で閉館するというのは、県民の理解を到底得られないと思います。一体的な発注が合理的なのは言うまでもないと指摘をしました。
 この際、耐震改修と設備改修を一体的に行うこととして早急に検討を進めるべきだと思いますが、ネックと言われている文化庁協議の現状も含め、教育長の所見を伺います。

■教育長
 博物館の改修工事につきましては、3つの大きな工事がございますが、まずは耐震補強工事でございます。そして2つ目には、博物館は昭和47年開館しておりますが、その後、法令改正等がたびたび行われており法令改正に対応するための工事、そして3つ目には、基幹設備等が老朽化してきており、このあたりへの対応工事が必要となってきていること、これらを総合的に含めてこの概算の工事費ですとか、或いは、改修工期がどれぐらいなるかということを、昨年11月の総務教育常任委員会で報告を差し上げたところです。

 工事手法につきましても、老朽化した、非常に年数も経って老朽化した施設であること、そして史跡内という、やはり工法に様々な制約があることを踏まえ、この費用対効果といいますか費用削減効果を非常に見いだしにくい2つ、耐震補強と法改正の対応工事につきましては、従来型の手法、つまり県直営でやる方向で検討しておりますが、もう1つの設備の老朽対応工事につきましては、これは原則通り、PFI等民間活力の活用を前提として、改修に向かいたいというふうに考えています。

 ご質問にありました文化庁との協議につきましては、令和6年度から、まずは史跡の現状変更についての事前協議に着手をしています。また続きまして、この博物館が国宝ですとか国指定重要文化財の展示保管に関する施設基準としまして承認を国から受けております。
 公開承認施設の改修についても、事前協議を始めたところでございます。史跡ですから地盤の掘り返しを極力行わないことを大前提としながら、次の設計段階において、より協議を継続していきたいというふうに思っています。

 この辺りは、史跡を管理しておられる鳥取市さんとも共通認識を持っているところであり、この度の文化庁協議には鳥取市の担当者の方にも同席していただきながら、今後の方向性を探っているところです。
 最終的に文化庁の理解がしっかりえられるように、取り組みを進めて参りたいと思います。
 物価高騰の折、工事費の高騰も見込まれるところですが、ぜひそうした状況やご意見をしっかり踏まえながら、工事計画或いは工事着手のタイミングをしっかり計って、次の段階に進んで参りたいというふうに考えているところです。

■野坂議員
 教育長は今後の設備改修をPFIでっていうことを言われておりまして、それは従前、今までもそのような説明がされておりました。それを一体的にやつたほうが当然、先ほどから言ってますけど、県民の負担は少ないし、いろいろ効果が望めるのではないか。或いはコスト面であるとか、工期面であるとか、様々な効果が望めるのではないかということであります。

 その際の説明が、要するに史跡の上にあると、文化庁の協議を云々ということでありました。鳥取西高の事例がありますので、あれに準じた判断がされるんだろうと私は思うんですよね。そのようなことで、ある不特定要素を確定していくと、事業への手挙げの事業者が、そういうような難しい現場だから案件だから、手挙げの業者がないという、サウンディング結果だったとおっしゃいました。

 しかし、そのサンディング結果はどのような内容で、どれだけの事業者の声を聞いたのかっていうのも、これは説明を聞いておりません。それらを含めてですね。その後の設備改修があるんだとすれば、これは一体的にこの際立ちどまって、もう1回知事のいわゆるリトマス試験紙を通してVFMを計る。こういう一連の手続き、決められた手続きをとるべきではないのか、こういうことを言っております。

 この点については、教育長の見解をもう1回聞きたいですし、この新たに就任された、行革の座長である遠藤政策統轄監にも、これは要するに効果の測定っていうのはまさにそちらのところなんで、いわゆる課が跨る部署が跨るようなものに、きちんとそれを統轄して政策的な判断をするということでありますから、遠藤政策統轄監にも期待したいところであります。見解を聞きたいところであります。

■政策統轄監
 博物館の改修につきまして、一体的にですね、耐震補強やその他の消防設備防火シャッター等の改修などそういったようなものを一体的にやるべきじゃないかというご提案でございました。
現時点でもまず耐震工事と法改正工事を優先して実施するように教育委員会では検討されていると思います。閉館期間を1回で済ませることや、一体的な工事発注によるメリットというのも考えられるんじゃないかというふうに私は思ったところです。
 その辺りも含めて教育委員会の方と、こちらの方でもちょっと相談をさせていただいてもいいかなと今思ったところです。

■教育長
 博物館をどのように改修していくのかという中で、サウンディングされたときの声というよう話もございましたが、一部の事業者からは、先ほどもちょっと触れましたが、築50年を経過している非常に特殊な建物であるということや、やはり史跡という場所に立地するというふうなことから、やはり、改修過程の中で、文化庁協議の結果でまた変更が必要になってくるんじゃないか。そうした不安があるといったような声も、お聞きをしているところでございます。

 議員の方から、立ちどまって一体的にということを考えるべきだというふうにご意見、ご提案もいただいたわけですが、この耐震補強工事を、従来型手法でやるということ。それら様々な定性的な理由を、先ほどもちょっと触れましたが、史跡の上での工事が非常に困難であるというふうなことや、PFIによる削減効果が出る可能性が低いといったようなこと。

 そして、先ほど触れたようなご意見から、事業者参入が非常に見込まれる競争性が低いんじゃないかというふうなことを踏まえて、令和6年1月の県の県有施設資産有効戦略会議の中で、決定をしていただいたというふうに理解をしているところでございます。

 教育委員会としましては、そういう意味で基本スタンスは変わりませんが、ただ、先ほど鳥羽議員の質問のことも答弁のことも言いましたが、期間がやつぱり非常に長くかかる。また、鳥取城跡の対応ということが非常に難しいというふうな状況も踏まえながら、ここはちよっとやっぱりしっかり慎重に様々な意見を伺いながら検討すべきものがあろうかなというふうに思っているところです。

■野坂議員
 教育長は繰り返しの説明をされてると思うんですね。これら前回の一次検討といいますかPFIの導入可能性調査の前の、担当部署として調査といいますか検討されたときに、今言われたような前提条件があるから、なかなか難しいと。その際、強く言われたのは、能登半島地震を受けてね。今時間がかけれないと、もう直ちに直営でやっていかないと、県民の安心安全は確保できない。或いは、美術品、所蔵物の、あれが維持できない可能性が出てくるということでありましたが、まだいまだにこういう足踏み状態であります。

 ならばですね、飛ばした知事の言われるリトマス試験紙という作業を、一旦ここで、やっていくというのは、行革の方の判断ということになるのかわかりませんが、私はそれが妥当な手続きだと思うんです。これらを、話を聞いていただいて知事はどのように考えておられるんでしょうか。

 再度お尋ねしたいと思います。

■知事
 先ほど遠藤の方から申し上げましたけれども、今、教育委員会の方で精細な調査なり検討をされていると思います。ちょっと時間をいただきましてどういうような判断基準に見合うかどうかですね、リトマス試験紙をかける必要があるかどうか、今しばらく調査をさせていただきたいと思います。

令和6年度決算審査特別委員会の指摘事項(R7.12.22)

(指摘事項)鳥取県立博物館の耐震改修について

 鳥取県立博物館については、能登半島地震を踏まえ、早急な耐震改修が必要であるとし、これまで県有施設・資産有効活用戦略会議や博物館協議会等において、議論が重ねられてきましたが、長期に及ぶ休館や改修費用が高額になることを理由に改修の検討に時間を要している状況であります。

 耐震改修にあたっては、文化庁との協議を継続するとともに、建物の老朽化対策や設備更新などと一体的に施工できるよう検討を進める必要があります。
また、史跡上の工事となるものの民間活力の導入可能性について再検討し、特に参入意欲を有する事業者ヘの丁寧な聞き取りを行い、意向や提案内容を的確に把握した上で、工期やコスト縮減に向けた手法を幅広く検討すべきであります。

 さらに、他県における改修の民間活用の事例等を広く調査し、効果的かつ実効性の高い手法を検討することも重要であります。
 日々、多くの県民が利用し、貴重な収蔵品が保管されている施設にも関わらず、耐震性能が不足し、設備が老朽化した状態が継続していることは大変深刻な問題であり、改修に多額の費用を要するとはいえ、県民の理解が得られるよう、工期やコスト縮減に向けたあらゆる手法について、スピード感をもって検討を進めるべきであります。

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