令和5年度第二回鳥取県建設工事等入札・契約審議会が11日に県立図書館で開催され、みたこ土建と八幡コーポレーション(代表取締役 中山忠雄)が提出した不服申立書の是非を審議した。結論からすると、八幡コーポレーションが申し立てた不服申し立て3件のうち2件を妥当と認め、1件を却下した。
今後、審議会が知事に答申し、工事検査点数の修正に着手する。
今回は八幡コーポレーションが不服申し立てを行った「塩見川河川改修工事(5工区)」の概要を掲載した。
【工事概要】

■塩見川広域河川改修工事(5工区)
鳥取市福部町細川
受注者:八幡コーポレーション株式会社(代表取締役 中山忠雄)
工期:令和4年9月6日~令和5年4月28日
請負金額(最終) 150,379,900円
完成年月日:令和5年4月28日
完成検査年月日:令和5年5月15日
工事監督:鳥取県土整備事務所河川砂防課
工事成績:80点

【現場状況について】
5工区の進入路は、県道43号から仮橋を渡り、3工区の地盤改良区間を通る。3工区は当時施工中だが、地盤改良工は未着手。工期は令和5年3月13日まで、つまり5工区の進入路として使えないことが明確になっている。市道の嵩上げ工事も別途施工するため、市道からの進入路も計画していない。そもそも、第2案は検討していない。第1案の進入路が前提で、3月13日以降でなければ現場に入れない、と説明を受けた。
当初の計画では、工期は3月15日まで。年度の繰越はできない。工事が完了しなければ打ち切りとなる、という説明があったという。
八幡コーポレーションの主張
【中山社長の主張】

本来なら、鳥取県と受注者が手を取り合い力を合わせて業務に取り組み、これを完成させる。そして、県も我々も若い技術者を育て、企業として学び、日々成長する。そういう気持ちを常に心がけています。今回の工事は、私も当事者のひとりですが、県からいただいた回答書については、非常に残念でなりません。県技術者のみなさんが様々な業務をこなしながら、多忙な中で我々の事案にも丁寧に対応していただいていることは理解しています。
しかしながら、今回の回答書に目を通して、非常に落胆した。事実と異なる表現が少なくないのです。鳥取県としては、これで問題ないという判断で文書を作成されたのでしょうが、そもそも、この資料は後で作成されたものです。我々は、作成される前の段階の事実を検証したい。ここに至る前に、現場担当者、そして私たち建設業者がどれだけ努力しているのか、ご理解いただきたいのです。
不服申立の概要ですが、簡単に申し上げますと、弊社担当が鳥取県土整備事務所に相談に伺いました。進入路を検討してください、と県担当者から依頼がありました。ただし、その進入路というのは他工区(3工区)の工事区間内にある。従って進入路は使えない。
そうなると、5工区は工事中止か繰越になる。それでは3工区が完了する3月13日まで待ちます。そうなると5工区は全く施工できないので翌年度に繰り越しとならざるを得ない。
にもかかわらず、工事中止も進入路も認めない、繰越も認めない。ならばいったいどうすればいいのか。担当者から私に相談がありました。
この話を聞いて我が耳を疑いました。「鳥取県がそんな理不尽な回答をするわけがない。それは本当なのか」。今回の事案について以上のような経緯があります。みなさんお忙しい中、また台風7号関連の災害復旧で多忙を極めておられるところ恐縮ですが、真摯な回答を求めるものです。
【不服項目1】
2.施工状況II. 工程管理2の「現易条件の変化への対応が迅速であり、その結果施工の停滞がみられない」と評価すべき。
【八幡コーポレーションの主張】
担当課は、進入路の調整を想定しておらず、当初の打ち合わせでは、3月中旬まで工事着手できず、3月末で打ち切りとなるとの話であった。現場説明書から読み取れる内容以上に想定外の話であったので鳥取県土事務所長にこの旨を話した際、別途、進入路等の提案を受注者よりさせて頂きたいとの話をした。
この時の所長協議では所内で指導及び聞き取りを行うということであった。結果として、担当課として受,主者が着手できるよう協議していくという前向きな結果となった。
【県が棄却を求めた理由】
現場説明書に記載されているとおり、既存の進入路は、「塩見川広域河川改修工事(3工区)(国補正)」が使用しており、3工区との施工期間が重複するため、工期を遵守して、当該工事を完成させるためには、進入路の調整を含めた施工手順・施工方法等について事前に調整が必要なことは、受注時点で想定されていたことと考えられ、現場条件が、想定外のことで変化しているわけではなく、評価の対象としていない。
なお、進入路の検討については、「現場への進入路に課題があり、仮設道路を計画」したとして、1.施工体制II.配置技術者7の「施工上の課題となる条件」において、評価している。
また、発注者は、受注者の早期着手に支障が出ないよう対応しており、受注者がいう「担当課は、進入路の調整を想定しておらず、当初の打ち合わせでは、3月中旬まで工事着手できず、3月末で打ち切りとなる」については、事実と異なる。
【審議会結論】
八幡コーポレーションの不服申立てを妥当と認める。
【不服項目2】
2.施工状況II. 工程管理5の「工事の進捗を早めるための取り組みが行われている。」に該当している。
【八幡コーポレーションの主張】
担当課は、3月中旬以降の着手を指示していたが、受注者の提案と工程調整により3月中旬より早く着手が可能となった。協議書及び施工計画書に基づいた施工が確認できると思われる。工期短縮というよりも、工事不可能に対して工事着手が可能となっており、評価すべき。
【県が棄却を求めた理由】
当該項目は、工事の進捗を早めるための取り組みについて、工事着手前に工事の進l歩を早めるための取り組みや短縮効果を具体的に施工計画書に明記し、それを反映した計画工程表に基づき施工し成果が認められた場合に評価しているが、確認できる資料は提出されていない。
工事着手が不可能であったものが、進入路を検討したことによって、工事着手が可能となったと申立人は主張するが、進入路を別ルートで検討したことは、工事の進捗を早める取り組みではなく、そもそも進入路を検討しなけれ|よ工期を遵守した当該工事の着手や施工ができなかったものであり、施工上の課題である。
なお、申立人は、「担当課より、3月中旬以降の着手を言われていた」と主張するが、発注者は、当初から3工区との事前調整の結果を受けて速やかに着手されることを想定するとともに、早期着手に向けて地盤改良機械の確保を受注者に指示しており、事実とは異なる。
【審議会結論】
八幡コーポレーションの不服申立てを妥当と認める。
【不服項目3】
2.施工状況 Ⅳ .対外関係3の「地元と調整を行うなど十分な配慮を行って施工している。」及び施工状況 Ⅳ .対外関係 2の「工事施工にあたり、構造物掘削等に伴う借地、任意の工事用道路等の確保を自主的に行った」に該当している。
【八幡コーポレーションの主張】
①上記項目について、鳥取県土整備事務所長と協議し、受注者が提案して工事用道路の確保を行っているが、担当課からは、新たな工事用道路を確保する必要がないと明言された。発注者が関係者協議、地権者との調整を実施しており、発注者主導で地元調整が行われたということだが、工事施工にあたっては、受発注者ともに協議調整をしていくものと認識している。
②借地及び工事用道路の確保については、発注者と協議し、土地所有者と受注者で書面契約をしている。関係資料が確認できなかったとの説明だが、確認できないものに発注者は、金額計上するのか。
【県が棄却を求めた理由】
対外関係とは受注者・発注者以外との関係のことであり、当該項目は、発注者に依存しない範囲で、率先して土地所有者や区長と直接交渉を行い問題解決したり、地域住民等と工事の施工上必要な交渉を自らの責任において、後日紛争とならないよう文書で取り交わす等明確にしている場合に評価している。
①当該工事の場合、発注者が関係者との協議を行ったり、地権者との調整を実施しており、当該項目を評価していないのは妥当である。
なお、申立人の「担当課からは、新たな工事用道路を確保する必要がないと明言された。」との主張は事実と異なり、落札後の協議の中で、まずは3工区が使用している進入路の活用を調整して検討してほしいとの発注者としての考えを述べただけである。
②また、借地及び工事用道路の確保についてだが、自主的に借地することにより施工性、品質、安全性の向上に結び付いていることが書面等で確認できる場合に評価している。当該工事の場合、借地に当たり発注者の関与があったり、借地料が設計計上されており、当該項目を評価しないのは妥当である。
【審議会結論】
八幡コーポレーションの不服申立てを棄却する。