計画・構想

鳥取駅周辺リ・デザイン会議のふりかえり~平面横断の実現性を議論、整備計画は年内策定

投稿日:

 鳥取市は令和8年8月3日に「第9回鳥取駅周辺リ・デザイン会議」を開催した。会議では、駅前広場における「平面横断」の実現可能性をめぐる論点整理のほか、今後のスケジュールなどが示されたが、本誌は改めて駅周辺整備についてまとめてみた。8月下旬からオープンハウス型説明会や地下道アンケートが実施され、事業の具体的な計画・構想のブラッシュアップが期待される。

■平面横断に関する論点

 最大の焦点となったのが、駅前広場と商店街側を結ぶ横断方法をめぐる議論だ。現在は県道の横断手段が地下道のみとなっているが、部会や協議会ではかねて「車中心から人中心へ」という観点から、地上での平面横断を求める意見が相次いでいた。

 交通処理の影響評価では、鳥取駅前北口交差点・太平通交差点それぞれについて、平面横断を導入した場合の交通量シミュレーションを実施。スクランブル交差点案、通常の横断歩道設置案のいずれについても、需要率は限界需要率を下回り、基準値を満たすことが確認された。ただし、ピーク時に信号サイクル単位で瞬間的な渋滞(捌け残り)が発生する可能性など、なお検討すべき課題が残るとされた。

 整備イメージとしては、現状(地下道のみ)、平面横断+地下道撤去、平面横断+地下道存置(2案)など計4パターンを比較。地下道を存置する案では、太平通側に横断歩道を新設できないという制約があるほか、地下道の上屋が見通しや滞留空間を阻害するとの指摘も出た。一方、地下道撤去案は、まちなかへの視認性が高まり、駅前広場から商店街への回遊性向上が期待できるとした。

 今後の進め方としては、8月から9月にかけてオープンハウス型の説明会や現地アンケートを実施し、市民ニーズを把握したうえで、10月以降の駅まち空間デザイン検討部会・四者連携協議会で協議を継続する方針。また、交通規制上、地下道と平面横断は同一箇所での併設ができないことが確認されており、特に太平通交差点については地下道と横断歩道の共存が不可能なことが判明。地下道の存廃について、道路管理者である鳥取県と継続協議を行うとしている。なお、鳥取駅北口交差点の地下道存廃は、太平通交差点の議論とは独立して検討される。


(右クリックして「新しいタブで画像を開く」をクリックすると拡大画像を表示)

■今後のスケジュール

 整備計画の策定に向けたスケジュール案も示された。駅まち空間デザイン検討部会を10月にも開催予定。四者連携協議会は11月に開催予定。リ・デザイン会議は12月に整備計画の策定を予定する。

 9月にはパブリックコメントを実施し、その結果を踏まえて整備計画(原案)を作成。12月のリ・デザイン会議で原案の審議を受け、策定完了を目指すとしている。また、8月から9月にかけて実施するオープンハウス型説明会や現地アンケートで把握した市民ニーズは、10月以降の駅まち検討部会や四者連携協議会での協議に反映される見通し。

■これまでの検討経緯について

 鳥取駅周辺リ・デザインをめぐる検討は、令和6年6月の基本計画策定を起点に進められてきた。以降、四者連携協議会、駅まち空間デザイン検討部会、若者・子育て世代ワークショップなどを重ね、令和7年度には交通事業者や地元商業関係者との意見交換、岡山駅の現地視察、障がい者団体や鳥取養護学校との意見交換などを実施。令和8年に入ってからも県警本部との協議を経て、今回の第9回会議に至った。

 前回(第8回、令和8年3月17日開催)の会議では、(1)整備計画(素案)、(2)駅前地下道・平面横断、(3)駅前整備とまちなかの一体的デザイン、(4)公共交通との連携・アクセス、(5)複合施設・各種施設、(6)鳥取駅周辺エリアのグランドデザイン――の6分類で意見が総括された。このうち、駅周辺だけでなく中心市街地全体の将来像を示す「中心市街地グランドデザイン」の作成が6月補正予算に計上され、令和8年度中の作成を目指すことになった。

 市民からの意見募集(令和6年8月20日~令和8年7月22日、回答283名)では、主な意見が計438件寄せられた。内訳は「商業・アミューズメント機能」114件、「駐車場」61件、「飲食機能」35件などが上位を占めた。個別意見としては、図書館・書店の整備や学習スペースの充実、日帰り温泉施設の検討を求める声などが寄せられている。

 第8回駅まち空間デザイン検討部会(令和8年6月9日開催)では、交差点の交通処理・横断運用、地下道のあり方、まちなかとの一体感・回遊性、整備計画後半部分の事業効果・KPI、複合施設の事業スキームなどが議論された。

 続く鳥取県警察本部との協議(令和8年7月6日)では、地下道と平面横断の併用は難しいとの認識が共有され、後日の協議で太平通交差点については地下道と横断歩道の併用ができないことが示された。平面横断導入時の交通処理については、安全側の厳しい条件下でも一定の処理が成立する見込みであることが確認された一方、瞬間的な渋滞などの懸念事項は今後整理していくこととされた。

 第7回四者連携協議会(令和8年7月21日開催)では、平面横断、地下道のあり方、整備計画(素案)後半部分、駅前広場の大屋根、民間事業者との連携など多岐にわたるテーマについて意見交換が行われた。

-計画・構想
-

執筆者:

関連記事

「二本松ため池」は廃止、「河崎越路堤」は県営事業で改修~岩美町河崎地内の防災重点農業用ため池

 岩美町農林水産課によると、河崎地内にある2つの防災重点農業用ため池「河崎越路堤」と「二本松ため池」について、それぞれ異なる方針で対応するという。廃止と存続だ。

no image

県土整備部 南北線など東部都市計画マスタープラン策定へ、25件の意見聴取 2021年以降に

県技術企画課は、(仮称)南北線整備などに関連した東部都市計画区域マスタープラン(鳥取・福部・八頭中央・気高・鹿野・青谷)の見直し素案に寄せられたパブリックコメントの内容を明らかにした。  パブリックコ …

鳥取砂丘コナン空港に太陽光発電施設建設 県有地1万㎡を無償貸付け

 県交通政策課は、鳥取市湖山町の鳥取砂丘コナン空港の西側県有地の一部約1万㎡を鳥取ビル㈱(鳥取市湖山町西三丁目110番地5)に無償貸し付けする。12月県議会で承認を得て手続きに入る。 貸付期間は、令和 …

no image

県内申請4校68億円、まさかの「全校不採択」「教育課程との一体性不十分」など国が突きつけた3つの共通課題~

 文部科学省が高校教育改革のパイロットケース創設を目指す「高等学校等教育改革促進事業」(第3回公募)の採択結果が公表され、鳥取県から先導拠点校として申請していた4高校(鳥取工業、倉吉農業、鳥取西、境港 …

鳥取県土 南北線整備に伴うアクセス道路網について

 鳥取県土整備事務所は、令和7年度の都市計画決定を計画している通称南北線事業化について、今後の事業予定と課題、対応方針などを明らかにした。、  南北線の事業化を見据え、県土整備部はR3年度に取りまとめ …