岩美町は町営住宅の建替えに民間活力を導入する可能性を検討するため、令和6年度からPFI導入可能性調査業務を実施しているが、このほど岩美町議会に中間報告を行った。
それによると、建替え予定地の①旧岩美病院の解体や②建築戸数、③住戸形式、④建物構造など協議事項が課題として挙がった。岩美町ではこれらの課題を集約し、令和8年度に入札公告等のアドバイザリー契約などを検討する。

①旧岩美病院の解体
旧岩美病院の解体工事はPFI事業の範囲に含め施工することを基本とするが、町内民間事業者へのヒアリング結果等を勘案して判断する。
②建築戸数
基本構想は60戸で、このうち町営住宅は50戸、子育て世帯向け10戸。
→これを現在入居する46戸に変更し、別に移住定住対策による町営住宅を検討する。
③住戸形式
| 世帯員数別 | 住戸形式 | 現入居戸数 |
| 1~2人世帯 | 2DK(55㎡程度) | 40戸 |
| 3~5人世帯 | 3DK(75㎡程度) | 6戸 |
④建物構造
基本的には、高齢者等に配慮した低層住宅(平屋・二階建て)とする。
| 構造による比較 | 低層(木造・鉄骨を想定) | 中高層(3階以上・RC想定) |
| バリアフリー化 | 〇高齢者等が住みやすい | ▲エレベータ要 |
| 町内業者参画 | 〇建設・管理可能 | ▲建設・管理とも対応難 |
| 旧病院敷地利用 | 〇地中杭残置でも建築可 | ▲地中杭は建設難 |
| 敷地面積確保 | ▲広い敷地が必要 | 〇効率的な敷地利用可 |
| 耐用年数 | ▲耐用年数30~45年 | 〇耐用年数70年 |
| 解体費 | 〇RCより安価 | ▲木造より高額 |
⑤建替用地について
当初は旧岩美病院と内池田団地を建替用地としていたが、旧浦富団地跡地(浦富IC南側)も活用することで、イエローゾーン内への建設を回避することを検討する。安全対策工事が不要になる。
⑥事業方式
維持管理業務は既存町営住宅を含めた全体の管理業務を一括して行う方が効果的と考え、今回の建替えはPFI事業の範囲に含めないことを基本としたい(BT方式)。
⑦その他
建設工事については町内業者へのヒアリング結果等を勘案し、複数のPFI事業に分けた段階的な実施も検討する。
【入札結果・令和6年度】
2025年01月17日 09:00 – 建築設計
●町営住宅建替事業におけるPFI導入可能性調査業務
(岩美郡岩美町浦富)
市浦ハウジング&プランニング:660万円(1者随契)
【備考】岩美町住民生活課。納期:令和7年3月21日まで。
※以下は令和7年1月14日の記事
岩美町 町営住宅60戸15棟 PFI可能性調査、近く見積徴集
岩美町は令和6年度、旧岩美病院を解体撤去し、計8団地60戸・15棟の町営住宅をPFIで建設・維持管理等が可能かどうか調査するため「PFI導入可能性調査」を実施する。事業費は737万円。
当初は5月に国土交通省の補助内示を得て基本計画を作成、民間事業者への市場調査、概算事業費の算定、従来方式との金額比較を行い、PFI導入の可否を判断するための基礎資料を作成する計画だったが、内示額が低かったため、あらためて9月に再申請した。
調査は随意契約で執行する予定で、令和7年1月17日まで見積り期限。基本構想を手掛けた市浦ハウジングと1者随契する。調査は半年程度必要で、令和7年6月頃には調査結果が明らかになりそうだ。PFIが可能となれば、令和8年度に事業者を選定し事業着手する見込みだ。
※以下は令和5年7月9日の記事
岩美町 旧岩美病院敷地6千平米を町営住宅に、基本構想は市浦ハウジング(東京)
岩美町は、旧岩美病院の跡地を活用し、同所に大規模な町営住宅を建設する計画を進めているが、事業化にあたり国土交通省が実施する「PFI導入推進事業」を活用する。令和5年6月8日付で、岩美町のPFI事業をサポートする事業者に㈱市浦ハウジング&プランニング(本社・東京)を指定しており、令和5年6月から同社が基本構想案を策定。令和6年度にPFI導入の適否を判断するための調査業務(PFI導入可能性調査)に着手。可能と評価されると、同7年度から実施方針を策定する。
順調にいけば令和8年度に事業者を選定・着工する予定だ。
岩美町の計画については「町内8団地を生活利便性のよい敷地へ集約する建替事業で、集会所の福祉拠点化や、公営住宅や余剰地を活用した民間賃貸住宅による『子育て住まい』の供給、用途廃止住棟を活用したお試し住宅の整備」など、地域に密着したきめ細かな提案が評価された。
なお、国の令和5年度PFI導入推進事業には全国から23件の応募があり、そのうちわずか8件が採択された。
■国土交通省 令和5年度共生社会実現に向けた住宅セーフティネット機能強化・推進事業 採択事業者一覧
※以下は令和5年6月4日の記事
岩美町はこのほど、町営住宅の設計から建設、運営など建替事業(PFI手法)について、岩美町の基本構想を検討支援する民間事業者2者が国へ応募申請したことを明らかにした(5月下旬)。
岩美町は町営住宅建替えにあたり、国土交通省が創設した「令和5年度共生社会実現に向けた住宅セーフティネット機能強化・推進事業 公営住宅に係る PPP/PFI 導入推進事業」を活用する方針で、基本構想案は民間事業者が行う。応募申請の結果はまだ決まっていないようだ。
その他具体的な動きは無し。事業着工は令和8年度以降。
【今後の事業スケジュール】
令和5年5月下旬=国が採択事業の決定(本誌注:6月2日現在未確認→その後、6月8日に通知)
令和5年6月~3月=PPP/PFI 基本構想案の策定。構想案は事業採択された民間事業者が行う。
令和6年度=PFI導入可能性調査業務の実施(PFI導入の適否を判断するための調査業務)。
令和7年~8年度=アドバイザリー業務の実施(PFI実施方針策定。特定事業・事業者選定までの支援業務となる)。
令和8年度
①PFI実施方針の公表
②PFI特定事業の公表
③事業者募集(入札)と選定
④事業実施
※以下は令和5年2月26日の記事
岩美町 旧岩美病院敷地6千平米を町営住宅に、PFI導入へ準備
岩美町は、同町浦富の旧岩美病院跡地について、「民間への売却」から「町内の公営住宅を集約し、大規模な住宅団地に活用する」方針を明らかにした。岩美町が策定した「公営住宅等長寿命化計画」、「岩美町営住宅建替実施計画」に基づき、建替えを必要とする団地のうち、旧耐震基準により建設した8箇所の町営住宅団地を集約するもの。建設に関しては、鳥取市や倉吉市、湯梨浜町が導入したPFIを検討している。
今後、国交省の採択を経て基本構想の策定、PFI導入可能性調査などを経て令和8年度から建替え事業に着手する。

【建替え対象の町営住宅】
| 団地名 | 建設年度 | 棟数 | 戸数 | 入居戸数 |
| ①上株団地 | S44 | 2 | 10 | 10 |
| ②大切戸団地 | S46 | 2 | 10 | 8 |
| ③内池田第1団地 | S47 | 2 | 10 | 7 |
| ④内池田第2団地 | S48 | 2 | 10 | 10 |
| ⑤内池田第3団地 | S52 | 1 | 5 | 5 |
| ⑥内池田第4団地 | S53 | 3 | 8 | 7 |
| ⑦浦富団地 | S51 | 1 | 2 | 1 |
| ⑧竹ヶ下第1団地 | S55 | 2 | 6 | 3 |
| 合計 | ~ | 15 | 61 | 57 |
※建て替える住宅棟数や戸数、入居者数などは今後の状況などを勘案して決める。
【町営住宅建替方法の検討】
一般的に、分散した団地毎に現地建替えする場合、全体事業費が増加するほか、仮移転や本移転などが入居者にとって大きな負担となる。そのため、岩美町では大規模な戸数の建替えが可能な旧岩美病院敷地に集約建替えする方針だ。
また岩美町は建替えにあたり、国土交通省が創設した「令和5年度共生社会実現に向けた住宅セーフティネット機能強化・推進事業 公営住宅に係る PPP/PFI 導入推進事業」に応募する方針で、これに採択されることが条件となるほか、PFIに意欲のある民間事業者・コンサルタント業者らも応募し、国土交通省の認定と岩美町とのマッチングがPFI導入(基本構想策定)の流れとなる。
基本構想策定は、国が実施する事業のため岩美町の予算措置は不要。
参考:令和 4 年度共生社会実現に向けた住宅セーフティネット機能強化・推進事業(公示)
【導入のメリット】
1:補助金の重点的な配分
財源として、国交省が所管する社会資本整備総合交付金が活用でき、基本的な補助率は50%だが、国交省の予算や補助対象となる事業により変動する。たとえば配分率70%なら実質35%となる。
国交省はPFIなどの民間投資を促進する事業には「満額またはそれに準じて配分する」方針のため、補助金の配分率を上げるための手法として、岩美町も採用を検討しているものとみられる。
2:設計~建設~維持管理・運営を一括発注することで、従来の個別発注と比較してコスト削減・事務手続きの効率化ができるほか、長期的な性能発注とすることで、民間事業者の効率的な施工計画や独自工法の導入が可能となる。
建て替えに伴う旧団地の跡地利用も、民間から提案を受けることも可能だ。
【事業の流れ(国交省)】
まず国交省が全国から本事業を活用した調査実施を希望する地方公共団体を募集。岩美町も町営住宅建替え事業のPFI導入を応募する。調査実施する自治体を国交省がHPで公表する予定。
続いて、本事業に意欲のあるコンサルタントらを募集。
【今後のスケジュール】
〇令和5年2月に、国交省が「公営住宅に係る PPP/PFI 導入推進事業」の案件を募集。これに岩美町が応募。
〇令和5年6月頃、国交省が事業採択・不採択を公表。
〇令和5年6月~令和6年3月 PPP/PFI基本構想(素案)を策定
〇令和6年度 「PFI導入可能性調査」の入札・契約、実施。
〇令和7年度 「アドバイザリー業務」の入札・契約、実施。
〇令和8年度 「PFI実施方針公表」~「特定事業選定」~「事業者募集・選定」~事業実施
※PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)とは、日本語では「民間資金等活用事業」と訳され、公共施設の整備を行うにあたり、設計・建設から維持管理・運営まで一括して民間事業者に委ねる手法。従来手法と比較して少ない財政負担で住民サービスを提供するのが目的とされている。
【参考・入札結果】
2022年12月23日 09:30 – 解体
●土地(岩美町大字浦富字矢柄646-1、647、650)の売り払い
(岩美郡岩美町浦富(旧岩美病院))
1者参加したが辞退(不落札)
【備考】
岩美病院・令和4年6月28日公告。事前手続き書類提出期限:11月30日。開札は岩美病院2階会議室。最低入札価格:25万2648円(浦富字矢柄646-1・793.44㎡、同647・1785.66㎡、同650・3201.13㎡。約5800㎡、全て宅地)。白兎設計事務所。
本館棟ほか解体=RC3F3892.56㎡)。