県生活環境部脱炭素社会推進課は、県立学校や体育館、下水処理施設の屋上などに太陽光発電設備を設置し、エネルギーの地産地消を県内全域で構築するため、その可能性調査を実施する。
9月補正で710万円を予算化しており、調査する施設は県内約200箇所。
新規事業名は県有施設等での県内企業による太陽光発電設備導入可能性調査事業。まず候補地を選定し、とっとり市民電力などの電力会社が運用する。今回の調査業務は、事業候補地の選定と可能性調査。
【事業目的・概要】
公共施設への太陽光発電設備設置について、国は「2030年までに50%、40年には100%と目標数値を示した。FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)の売電単価が低下する中で、太陽光発電設備の導入促進を図るため、県有施設等をモデルとし、全量自家消費型の「屋根貸し手法」(注1)が可能かどうか調査するのが目的。
また、その情報を県内の発電事業者や㈱とっとり市民電力(鳥取市)、ローカルエナジー㈱(米子市)、南部だんだんエナジー㈱(南部町)ら自治体出資地域新電力に公開し、エネルギーの地産地消に繋がる太陽光発電設備導入手法の構築を図る。
(注1)
屋根貸し手法とは、県有施設等の屋根に太陽光発電設備を県内事業者が無償で設置・運用し、発電した電気を直接県が県内事業者から購入し、その電気使用料を支払う屋根貸しビジネスモデル。
県のメリットは、初期費用や保守・維持費ゼロで再生可能エネルギー導入が可能となる。また、昼間の消費電力量が多い県有施設にとって電力料金の低減が期待できる。
【主な事業内容】
県有施設等の屋根に太陽光発電設備を設置した際に、発電電力の全量自家消費が可能な施設を抽出し、屋根貸し事業候補地を選定する。
①県有施設の自家消費型太陽光発電導入事業性調査
県立学校等で全量自家消費可能な施設を選定し、収支シミュレーションに係る調査を委託する。調査対象施設は、県立学校、社会教育施設、鳥取産業体育館、消防学校など37施設・577棟に及ぶ。調査費は383万円。
②下水処理施設の自家消費型太陽光発電導入事業性調査
下水処理施設における全量自家消費可能な施設を選定し、収支シミュレーションに係る調査を委託する。調査対象施設は農業集落排水処理施設(174施設・174棟)。調査費は327万円。
【事業目標】
令和4度以降、調査結果により事業性の高い県有施設等について、県内事業者を対象に屋根貸し手法による自家消費型太陽光発電設備の導入に取り組む。また同手法による太陽光発電設備導入を市町村に求める。
○取組の方向性
屋根貸し手法による太陽光発電設備の導入を公共施設で始め、将来的に県内事業者による戸建住宅での導入に繋げる。また戸建て住宅の余剰分は売電し、自治体出資地域新電力の経営安定性を高め、再生可能エネルギー導入の好循環に繋げる。
また屋根貸しモデル普及と並行して、土地貸し太陽光発電設備導入(オフサイトPPA)を進める。
【現状と改善目標】
国の導入促進政策のFIT制度の売電単価の低下により、地域発電事業者の太陽光発電設備事業への参入意欲が低下している。FIT制度に代わる再生可能エネルギー導入推進策として、地域発電事業者がFIT制度よりも有利に設置でき、施設所有者の初期投資が不要な自家消費型の屋根貸し太陽光発電設備の導入を促進する。
なお、県有施設で過去に屋根貸し事業を実施したのは、
①平成28年度に県立鳥取湖陵高等学校(実習棟1)で50キロワット
②平成28年度に県立図書館・公文書館50キロワット
~の2例のみで、発電事業者がFIT制度により全量売電するため、施設は自家消費できない。