㈱さくら建設が令和3年7月下旬に損害賠償訴訟を提起した「幸町棒鼻公園整備工事」の入札からこれまでの経緯、またさくら建設の提訴理由を掲載した。
訴状概要及び入札経緯
【1.訴状概要】
(提起日) 令和3年7月27日に裁判所へ提出。
(訴状内容) 損害賠償請求事件
(原告) ㈱さくら建設
(被告) 鳥取市
※損害賠償請求額は2198万7962円(弁護士費用相当額199万8905円を含む)及び遅延損害金(本件入札日から支払済みまで年5%の割合による額を含む)。
【2.入札経緯】
平成30年7月31日入札
〇幸町棒鼻公園整備工事
(設計金額)7774万9200円(税抜)
(最低制限価格)6560万円(税抜)
入札日は平成30年7月31日で、入札参加者は10者で、そのうち3者が入札辞退した(注:最下段に開札筆記を掲載)。
その後、平成30年7月31日にさくら建設が「予定価格算出の相違」について異議申立書を提出し、8月2日~6日までの間、さくら建設と都市環境課による協議があり、8月7日にさくら建設より申立てが取下げられる。
併せて、協議の結果に対する書面回答をさくら建設が要求したことから、8月17日に鳥取市の意見を書面で回答した。
〇幸町棒鼻公園整備工事施工概要
同工事は公園整備工事で、内訳は敷地造成工、法面工、擁壁工、排水構造物工、構造物撤去工、遊戯施設整備工、サービス施設整備工、園路広場整備工、管理施設整備工、建築施設組立設置工。
提訴理由
①幸町棒鼻公園整備工事の地先境界ブロック(区域と区域の問に設置されるブロック)の施工単価は、地先境界ブロックの施工パッケージを用いて積算すべきところ、類似工種である歩車道境界ブロック(歩道と車道の問に設置されるブロック)の施工パッケージを利用し、材料費を地先境界ブロックに置き換えて積算している。
※注:施工パッケージとは
土木工事の積算方法は、ある作業を行う場合の作業手間、材料や作業日数を数値化したものを積み上げて工事費を算出する。作業手間、材料や作業日数の数値化は、各発注者が行うと非効率であるため、国交省がそれぞれの工種の特性に合わせた標準的な数値を調査分析した上で機械・労務・材料にかかる費用をひとまとめにした施工単価を設定している。
この設定されたものを施工パッケージと呼んでおり、主たる土木工種においては、施工パッケージが設定されている。
②自由勾配側溝蓋の規格に関し、県産材「リサイクル製品」の参考質量「42kg」と記載すべきところを、間違って他の製品の参考質量「41kg」を記載している。
鳥取市追記:幸町棒鼻公園整備工事におけるリサイクル製品の使用については、自由勾配側溝蓋に使用するリサイクル製品は、設計書の現場説明書に県産材「リサイクル製品」を使用する旨を記載。
1・.指名競争入札における設計書の改ざん
(内容)
①歩車道境界ブロックの施工パッケージを、地先境界ブロックの施工パッケージに改ざん。
②自由勾配側溝蓋について、県産材のリサイクル製品を使用する旨を設計書に示していない。
(提訴理由)
工事設計書の改ざんにより、地先境界ブロックに関しては同施工内容に対応したパッケージを使用し、側溝蓋に関しては県産材「リサイクル製品」ではなく、「建設物価」に基づく単価を用いて予定価格を積算したことから、最低限価格を下回る額での入札を余儀なくされた。
2.指名競争入札の公正を害する行為について
(提訴理由)
入札参加者に与えられる情報が等しくなければ、入札の公平性が保たれないところ、故意または過失により一部の競争入札参加者に対し予定価格及び最低制限価格に関する特別な情報を与え、本件入札の落札者となるべき地位を奪われた。
鳥取市対応方針
訴状に掲げられた設計書の改ざんについては、入札後の協議結果に対する書面回答と同様に、積算誤りには該当しない旨を主張する。
また指名競争入札の公平を害する行為についても事実と異なることから反論を行い、損害賠償請求の却下を求める。
※書面回答:材料規格の記載及び歩掛の適用に誤りはあるものの、積算に関する条件提示をしており積算可能である。
参考・入札結果(平成30年(2018年)7月31日)
〇幸町棒鼻公園整備工事
鳥取市幸町
さくら建設:6550万円(失格)
八幡コーポレーション:6560万円
桜宮コンテック:6560万円
徳吉建設:6560万円
中央建設:6560万円
尾崎工務店:6720万円
㈱西村組:7000万円
大谷組:辞退
武晃建設:辞退
美穂建設:辞退
落 徳吉建設:6560万円(予7199万円)
※4者抽選。平成31年2月28日まで。