県が8月21日に開会した県議会福祉生活病院常任委員会で、令和7年度鳥取県天神川流域下水道事業の経営状況が報告された。純損益は7400万円の黒字となり、前年度から4800万円黒字幅が拡大した。市町村負担単価の引き上げが増収につながった形だが、県は物価上昇や人口減少を背景に、今後の経営環境は厳しさを増していくとみている。
負担単価15円引き上げで管理事業費負担金が増加
県水環境保全課によると、令和7年度の天神川流域下水道事業の純損益は74百万円の黒字で、前年度に比べ48百万円黒字幅が拡大した。黒字幅拡大の主な要因は、令和7年度から市町村負担単価を1立方メートルあたり15円引き上げたこと(令和6年度93円→令和7年度108円)による、管理事業費負担金の増加だという。
営業収益は6億8994万8千円で前年度比8337万4千円増。一方、営業費用も指定管理者への再委託増加による処理場費の増加などで12億3413万4千円となり、前年度比5776万8千円増加した。長期前受金戻入などを含む営業外収支を合わせた経常損益は7445万4千円の黒字(前年度比4728万2千円増)、当年度純利益も同水準の7445万4千円となった。
資金水準は当面維持も、収入減の懸念
県は今後の見通しについて、市町負担単価の引き上げにより当面は黒字と資金水準を維持できる見通しとする一方、物価上昇による費用増や人口減少による収入減が続くことが予想され、経営環境は厳しさを増していくものと見込んでいる。
広域化・共同化やPPP、太陽光発電導入で対応
こうした状況を踏まえ、県は指定管理者による効率的な処理場運営やストックマネジメント計画に基づく施設改築費の平準化に努めるとともに、中部圏域における汚水処理の広域化・共同化やウォーターPPPの取り組みを進め、適正かつ効率的な下水処理と施設の維持管理を行い、安定的な経営の維持を図るとしている。また令和7年度からは、鳥取スタイルPPA(太陽光発電)を導入し、光熱費の削減にも取り組んでいるという。
資本的収支は建設事業の増加で赤字幅縮小
資本的収支をみると、収入は国庫補助金や建設事業費負担金、企業債の増加などにより6億7484万2千円(前年度比2億8255万6千円増)、支出は工事量の増加に伴う建設改良費の増加により9億476万6千円(同2億7648万2千円増)となった。差し引きは2億2992万4千円の資金不足となったが、前年度の2億3599万8千円からは607万4千円改善した。内部留保資金は3億6679万1千円で、前年度から615万9千円増加している。