令和8年7月8日、八頭町本庁舎において「八頭町と八頭県土整備事務所との意見交換会」が開催されたが、同事務所河川砂防課から「まちづくり連携砂防等事業の活用」について報告があった。
地域住民の暮らし・生活にどう関わっているのかを同事務所が丁寧に解説していたので紹介することにした。
1. 「まちづくり連携砂防等事業」とは
同事業を一言でいうと、「大雨などによる土砂災害(土石流や崖崩れなど)から、住民の命や地域の生活空間を守るため、鳥取県と八頭町がタッグを組んで行う防災事業」 。
通常、砂防ダムの建設などの大規模な防災工事は県が主導して行うが、地域のニーズや避難路の確保、集落の保全などの計画と連動させることで、より効果的・集中的に安全な地域づくりを目指す仕組みを構築する取り組みだ。

八頭町内では現在、岩渕地区を中心にこの事業を活用した、安心・安全のための砂防事業が着実に進んでいる。具体的には以下の2渓流で工事や計画が進行中。
〇ツツミ谷川(八頭町岩渕)=事業期間は平成20年度~令和9年度完成予定。令和8年度予算は1億円を確保。長年計画的・段階的に進められた事業で、いよいよ令和9年度の完了に向けて大詰めを迎えている。
〇寺谷川(八頭町岩渕)=事業期間は平成28年度~令和10年度完成予定。令和8年度予算は2,000万円。こちらは令和10年度の完成をめざし、8年度も安全な砂防設備の整備を進めていく。
なお、八頭町が現在策定中の立地適正化計画で居住誘導区域等に指定された地域内の砂防事業については、重点的な予算配分を受けることができる。計画の作成はエイト日本技術開発が取りまとめている段階だ。
3. 背景にある「令和5年台風7号」の教訓
八頭町では、令和5年(2023年)の台風7号によって町内73箇所、総額約33億円にのぼる甚大な土砂災害や河川被害を被った。
現在、県と町が総力を挙げて復旧工事を進めており、主要な箇所は令和7年度末までにほぼ復旧が完了した。しかし、一度緩んだ地盤や、近年の地球温暖化に伴う「これまでにない大雨」に備えるためには、災害が起きた後の復旧(現状回復)だけでなく、「まちづくり連携砂防事業」のような事前の防災・減災対策~被害を未然に防ぐ・最小限に抑える~が非常に重要となる。
まとめ:安全な八頭町を未来へつなぐために
山々に囲まれ、豊かな自然に恵まれた八頭町だからこそ、土砂災害への備えは欠かせない。今回の意見交換会では、予算の確保や工事の進捗について、県と町が緊密に連携していることが改めて確認された 。令和8年度も、地域住民が安心して暮らせるまちづくりのため、岩渕地区をはじめとする各所で着実に防災インフラの強化を推進する。今後の進捗についても、引き続き地域で関心を持って見守ること、住民一人一人の意識啓発の向上や地域への働きかけが最も大切と考える。