地域間連携と観光振興に向けた道路整備の検討
智頭町からの要望~観光ルートを支える道路の整備・拡幅
智頭町では「1市6町麒麟のまち」事業や「八頭郡活性化戦略会議」を通じ、複数町が連携した周遊観光ルートの創設を目指している。これらを推進するため、以下の道路整備・検討を要望しているところ。
■県道津山智頭八東線(綾木峠区間):八頭町と智頭町を結ぶルートの事業化検討。
■県道智頭用瀬線:板井原集落に接続する狭隘(きょうあい)区間の拡幅、および待避所整備の拡充。
鳥取県回答~3町連携の検討結果が、道路整備の大きな推進力に
①県としても、八頭郡3町を直接結ぶ道路ネットワークの未整備が一体感をもった連携の阻害要因になっていると認識している。ただし、綾木峠の事業再開には膨大な事業費がかかるため時間を要すること、また智頭用瀬線は令和2年までに13箇所の待避所を整備したものの、急峻な地形から十分な整備とは言えない。
②令和8年度から、県の八頭振興課が主導し、3町が協力して郡内の観光ルート創設や周遊策を検討する場が設置される。この3町の検討の中で、道路整備による広域連携や観光施策への具体的な効果・実情を示すことができれば、綾木峠の事業化や智頭用瀬線の追加整備に向けた「大きな後押し・推進力」になると思われる。
③今後の進め方として、県は、道路整備が地域活性化の一助となるよう今後も努めていく方針。智頭町に対しては、3町連携の取り組みと併せて、必要性・根拠をもって要望していただきたい。近く開催予定の3町協議に向けて調整を進めていく。
※以下は7月1日午前1時の記事情報
八頭県土整備事務所と智頭町との意見交換会が令和8年6月29日に開催されたが、席上、同事務所から「令和8年度から八頭郡3町が連携した振興策を検討するよう、鳥取県から要請があった。管内道路網の整備促進へつながる重要な契機となる可能性がある。ぜひ協力いただきたい」と期待をこめて話した。
地域振興策の基盤として道路網整備は不可欠の課題だが、現状の課題や問題点、今後の動静などまとめてみた。
注:この記事については、改めて音声データを基に記事を追加します。
八頭県土整備事務所管内の交通網整備における基本方針と3町連携
持続可能な地域社会の実現や人口減少下における安全・安心の確保、行政の垣根を越えた地域生活圏の確立には、地域を結ぶ道路ネットワークが不可欠だ。八頭県土整備事務所は、管内の交通網整備に関する現状の課題と、今後の厳しい財政状況を踏まえた整備方針を示した。
現状の課題・円滑な連絡を阻む未整備区間と防災面の懸念
管内の道路には、県道津山智頭八東線の綾木峠や県道若桜下三河線の江波峠など、事業休止による通行止めや林道接続にとどまっている路線が複数存在する。。これにより管内を円滑に往来できず、各町が持つ地域資源や観光のポテンシャルが十分に発揮できていないほか、行き止まり道路による防災面の課題も抱えている。
基本方針①:大規模事業の再開・新規採択は「非常に厳しい状況」
【選択と集中の徹底】
県の厳しい財政状況を背景に、大きな投資を伴う道路整備にはこれまで以上の一層の「選択と集中」が求められる。そのため、現在休止されている事業の再開や、新規路線の計画採択は非常に厳しい状況にある。
大規模な事業をスタートさせるためには、地域振興や観光交流がもたらす具体的な可能性、整備による経済効果、それに伴う交通量の変化などを「数値で示す」必要がある。これらを立証し事業化にこぎつけるには、相応の年月を要することになる。
基本方針②:「3町連携の具体的な取り組み」が整備促進の鍵
智頭町からの議題にもあった通り、令和8年度から八頭郡3町が連携した振興策の検討がスタートする。県は、この枠組みの中で地域振興や観光面での連携した取り組みを積極的に議論・具体化していくことを求めている。これらの広域連携による効果を示すことが、管内道路網の整備促進へつなげる重要な足がかりとなる。
基本方針③:日常生活に即した中小規模事業への継続的な要求
県は広域的な大規模連携だけでなく、住民の安全な暮らしに直結する身近な整備も重視している。道路の拡幅や視距改良(見通しの改善)、歩道整備、災害防除といった「日常生活に即した中小規模の道路事業」についても、引き続きその必要性を精査した上で、県へ要望してほしい。