鳥取県は、鳥取砂丘コナン空港の第2期コンセッション(公共施設等運営事業)について、優先交渉権者が設立した特別目的会社「株式会社鳥取エアポート」との間で公共施設等運営権実施契約を締結した。8月21日に県交通政策課が締結内容などを県議会常任委員会に報告した。
事業期間は2027年(令和9年)4月1日からの20年間(最長35年間まで延長可能)。新事業者の参入により、単なる交通の通過点にとどまらない「地域密着型の空港再生」と目的地化をめざす「空の駅」事業が本格始動する。
■乗客より遊びに来る一般客が多い「異例の空港」
鳥取空港が持つ最大の強みは、「乗客よりも、遊びに来る一般客の方が多い」という全国でも非常に稀なビジネスモデルであることだ。2025年度の実績によると、航空旅客数(搭乗者数)の約42万人に対し、飛行機に乗らない一般来場者数は過去最多の約49万人と、搭乗者を7万人もうわまわった。鳥取県の人口とほぼ同数だ。空港内に施された人気漫画「名探偵コナン」の装飾や仕掛けが功を奏し、それ自体が独立した観光地・集客施設として機能している。一部ではディズニーランドやUSJのような強力な集客力を持つのではないかと今後の運営に期待が高まっている。
主要株主である行政や地元企業は、新事業者が掲げる「地域密着型の空港再生」を側面から支える協力パートナーとして、引き続き重要な役割を果たしていくことになる。
■ 地域資源を活かした「空の駅」構想と多彩なイベント
新事業者は、鳥取空港を単なる発着場から人が集まる目的地へと進化させる「空の駅」化を提案している。具体的には以下の多彩な催しやイベント計画が盛り込まれている。
・「滑走路早朝マラソン」:空港の滑走路2,000mを駆け抜ける体感型イベント
・「空港ナイトクルーズ&星空観察会」:夜の滑走路散策と鳥取の豊かな天体観測を組み合わせた企画
・「かにフェスタ連携イベント」:地元の港と連携し、親ガニみそ汁などを振る舞う食のイベント
・文化・教育連携:空港ピアノを活用した音楽ライブや、「鳥商デパート」等の地元高校との共同企画
■ 第2期コンセッション実施契約の概要(県発表資料より)
・契約名:第2期鳥取県営鳥取空港特定運営事業等公共施設等運営権実施契約
・締結日:令和8年(2026年)7月30日
・事業期間:令和9年(2027年)4月1日〜令和29年(2047年)3月31日(20年間)
※オプション延長(最長10年)及び合意延長(最長5年)により最長35年間可能
・運営権者:株式会社鳥取エアポート(代表取締役:岡田信一郎氏)
※JPiX(日本共創プラットフォーム)・オリエンタルコンサルタンツコンソーシアムが設立
・事業内容:
①空港特定運営事業] 基本施設(滑走路・エプロン等)の維持管理、航空保安施設運営、環境対策、国際会館・駐車場運営等
② ビル施設等事業] 国内ターミナルビル施設・貨物ビル施設の維持管理・運営等
■ 今後のスケジュール
・令和9年2月頃:鳥取エアポートによる鳥取空港ビルの全株式取得、県保有株式等の譲渡契約締結
・令和9年3月末まで:現運営権者(鳥取空港ビル)から鳥取エアポートへの業務引継ぎ・事業計画承認
・令和9年4月:第2期事業開始
鳥取県ならびに地元企業等の強力なバックアップのもと、地域密着型エンターテインメント空港としてのさらなる進化が期待される。