鳥取市は12日、鳥取市民会館など3箇所の文化施設の現状と問題点を明らかにした。
老朽化した施設の統廃合など方向性を整理・検討したもので、今後、できるだけ早い段階で最終的な整備計画を決める。
それによると、鳥取市内の人口減少と少子高齢化の進行、公共施設再配置計画に基づく公共施設の「総量縮減」の推進などが課題となっているほか、市民会館をはじめとする文化施設の老朽化と旧本庁舎等跡地活用との整合性などが焦点となっているようだ。
文化施設を再編する上で、統廃合・複合化による総量削減と、維持管理費削減のため民間資金やノウハウを活用する施設整備・運営も求められている。
【文化施設の現状・課題(中心拠点エリア)】
統廃合の対象となっている施設は、鳥取市民会館(尚徳町)、文化センター・文化ホール(吉方温泉3丁目)、福祉文化会館(西町)の3施設。その現状・課題を列挙すると、
①建物・設備の現状
各施設とも開館から40年~50年あまりが経過し、建物、設備とも老朽化が進行。福祉文化会館、文化ホールは耐震強度も不足しており、現状のまま各施設を使い続ける場合、耐震改修、設備更新、指定管理料を含め多額の費用を要する。しかし、建物本体の老朽化は解決できない。各施設ともバリアフリー対策の不足、使い勝手の悪さ、駐車場の不足が指摘されている。
②機能
施設全体としては、ホール(500人・900人規模)、各種会議スペース、練習スペース、展示スペース、団体活動スペースなどの機能がある。しかし、展示スペースは市民美術展クラスの展示に対応できない。ホールは音響性能が不十分との指摘あり。市有施設以外も含め、中心市街地周辺に照明・音響・舞台設備を備えた500人未満規模のホールはない。
③利用実態
各施設の利用者数は過去10年間平均で年間4万人台から6万人台。ホールの稼働率は5割程度で300人以下の催事が8割程度を占める。練習スペースの稼働率は高く、7~8割台。福祉文化会館の稼働率は低く2割台。文化センターは会議利用のほか、各種団体の事務所や活動の場となっている。
④まちづくりへの貢献度
各施設とも一定の集客があるものの、催事の規模・件数による変動があり、周辺地域に恒常的な賑わいを創出するまでには至っていない。人口減少・高齢化の進行を踏まえ、集客維持や市有財産の効果的・効率的活用などの面で一定の整理・削減が必要。
【総括】
検討委員会は平成31年(2019年)2月1日から延べ8回開催された。この間、鳥取商工会議所などから「文化芸術拠点の新たな施設整備」の要望や本庁舎跡地等活用に関する委員会からの報告などがあり、旧市役所跡地の再利用を中心に協議が進められているが、いまだ明確な結論には至っていない。
一部では「老朽化したNHK放送局を誘致し、放送局やホールなど備えた複合施設を旧本庁舎跡地に建設してはどうか」といった提案も上がっているようだが、具体的な動きは見えてこない。
検討委では「当面既存施設を運用しながら、緊急性のある修繕や維持補修などに必要最小限の手当てをするにとどめ、中期的(数年後?)の取り組みとして建設に向けた条件整備をすべき」と締めくくっている。