鳥取市経済観光部は16日、水田に生息する微生物を利用した「微生物発電」事業の計画概要を明らかにした。鳥取大学や大手商社・丸紅らと産学官連携で進める取り組みで、営農しながら「水田」を「水電」に変革する。全国初。
すでに鹿野町の水田で実証試験を始めており、国のモデル事業に認証されしだい、市も1000~1500万円を補助し事業を本格化させる。鳥取市では「丸紅が参画したことで、鳥取方式の水電事業が世界に波及する」と期待を寄せている。

【背景】
事業は、市が提案する自治体SDGsモデル事業の一環。鳥取大学や鳥取銀行、とっとり市民電力ら地域の産学官が連携し「微生物発電」という新たなエネルギー技術の実用化に向けた取組を核として、そのエネルギーを有効活用したスマート農業の実現に向けた実証モデルを構築するもの。
営農中の水田で微生物発電を運用し電力を供給。隣接地に交流・研究拠点を整備し持続可能な未来の農村の姿を実証する。さらに電力事業を多くの人・企業との交流に繋げ、新たな共創や関係人口を拡大する。NPO法人を新たに創設することも視野に入れているようだ。
微生物発電とは、微生物が有機物を分解する際に生じる電子を利用して発電するシステム。廃水中から有機物を除去すると同時に電気エネルギーが回収できる画期的な技術として注目を集めている。
風力や太陽光による発電は環境負荷が大きく、いずれも建設地の選定や耐用年数を過ぎた後の廃棄処分などに問題を抱えている。しかし、微生物発電は営農中の水田をそのまま利用できるなど環境負荷が少ない点が特長だ。
【鳥取市の見解】
モデル事業(補助上限は2700万円)として国が認可することが条件としているが、順調にいけば6月~9月頃に承認を得る見通しが立っているようだ。事業には民間の出資を求めるが、市も1000~1500万円程度を補助する。最終的には民間主導で事業を運営する方針。
現在鹿野町で実証試験を始めており「大きな可能性・拡張性を感じている」という。将来的には「乾燥地センターなども参画していただくよう働きかけたい。できれば麒麟のまちエリアを中心に発電エリアを広げることも」と因幡~但馬圏域への普及もめざしている。
また「丸紅グループに本格的に参加を決めていただいたことが非常に大きい。実用化にめどがたてば、将来的に全世界に環境負荷の少ない発電モデル(鳥取方式)の普及が期待できる」と締めくくった。
【主要参加企業・団体(12団体・企業)】
鳥取環境大学、とっとり市民電力、地元NPO法人(検討中)、山口東京理科大学、地域商社とっとり、鳥取銀行、鳥取大学、メイワフォームHYBRID、山陰合同銀行、鳥取再資源化研究所、丸紅グループ、麒麟のまち観光局