八頭町は、老朽化した八頭町役場本庁舎(郡家)を移転新築する方針を固めた。まだ吉田町長が正式に表明したわけではないが、昨年開催した検討委員会で大筋の結論が出た。
もともと、今回の検討委員会は「合併特例債の有効期限が令和6年度に迫っており、それまでに新庁舎を建設するか検討すべき」という考えから始まったもの。数年前に耐震補強を実施したものの、庁舎そのものの老朽化は深刻で、手狭で使い勝手の悪い庁舎の改築は長年の懸案となっていた。
【経過】
10年ほど前、平木町政の時代には「県八頭庁舎の空きスペースを間借りする」とか「八頭庁舎の建替え計画にこっそり便乗する(笑)」といったヤドカリ計画もあった。下水道や建設関係の仕事を数多くこなした平木町長にしてみれば、八頭県土整備事務所と同じ軒下で仕事をすることの便利さがよく分かっておられたのだと思う。
その後、この話は水に流れたのだが、数年前に財務省の役人が八頭町を訪問した。財務省は「仮に本庁舎を改築するご計画があるのなら、近くの郡家国道維持出張所など国や県施設と一体的に整備するよう検討いただきたい」といった趣旨だったと記憶している。
国・県・町施設を一体化することで建設コストを抑え、維持管理費の負担を少なくするのが目的だったようだ。確かに、郡家維持出張所も建て替え時期が到来しており、国道29号沿いの郡家警察署も、耐震補強は済ませたものの建物本体の老朽化は深刻だ。その後、八頭町は現庁舎を耐震補強することで決着した。
【郡家駅周辺整備計画】
令和2年2月、自民党県連の会合で福田県議が「郡家駅を中心に、行政や医療、商業施設を集約したコンパクトシティ構想」を表明した。2040年に若桜谷(若桜町・八頭町)の人口が1万人に減少することを想定したまちづくりだが「役場庁舎を郡家駅近辺に建設する」ことを重要な条件とした。因美線と若桜鉄道を接続する郡家駅周辺に、行政・医療・福祉・商業を集約したワンストップ・サービスの拠点を整備することで、地域間競争に勝ち抜く「まちづくり」をめざすものだ。
【八頭町動静】
前述の検討委員会でも駅周辺への移転を求める意見があったのだが、残念ながら駅周辺に八頭町の所有する土地は見当たらない。駅前商店街を整理してまとまった土地を確保するにしても、地元の意見調整などに時間がかかる。思い切った発想や関係者との連携が不可欠だろう。
八頭町では、今秋にパブリックコメントを実施し広く意見募集する計画で、令和4~5年には庁舎整備計画の策定や基本設計などを仕上げ、6年度の期限までに国に提出したい考え。本格的な動きはこれからになるのだが、まずは地元の調整役が必要だろう。今回の町議選に出馬表明した立候補者の一人が、この区域の重要人物とされる。
町議選を終えた後が、八頭町の新たなまちづくりが本格化するのかもしれない。