今年(令和8年)11月に投開票が予定されている鳥取市議会議員選挙(定数32)まで残り数ヶ月となり、党派や地域を越えた擁立劇や出馬取りざたが水面下で活発化している。例年、8月のお盆明けを境に各候補予定者の動きは一気に表面化・活発化するとみられるが、現時点での情勢や各陣営の思惑を整理した。現在出馬予定の新人候補者は10~11名程度とされる。
【建設業界・福祉関係・地域擁立の新人たち】
今回の市議選では、地域や業界の基盤を背景とした新人の動きが目立つ。
鳥取市用瀬町では、地元の建設会社幹部が周囲に出馬の意向を固めたことを明かしており、地域インフラの維持や中山間地域の振興を掲げて出馬準備を進めている模様だ。
また、国府町からは福祉関連事業に携わる人物が出馬準備を本格化させている。地元選出の県議会議員ともパイプが太く、盤石な支援態勢を構築しつつあることから、陣営関係者の間では「当選確実」との強気な見方も広がっている。さらに北園地区からも新人の立候補が噂されており、こちらも地元県議からの推薦・後押しを受けることが確実視されている。
【国政政党の動きと公明の「謎」】
政党別の動向も焦点が多い。
国政で存在感を示す参政党からも候補者擁立の動きが取りざたされており、同党が鳥取市議選にどのような影響を与えるかが注目される。
現在3議席を有する日本共産党は、世代交代や議席維持に向けて新人を擁立するのかどうかが議論されている。
一方、現在5議席を抱える公明党については、同党の公式ホームページ上の記載が「4名」となっていることから、関係者の間で「公認や現職の動きに何らかの異変があったのではないか」と波紋が広がっているらしい。
【独自の存在感を放つ「維新」と柳氏の存在感】
日本維新の会からは、3名程度の擁立が予定されている。
同党の動きで特に注目されるのが、今年4月の鳥取市長選に立候補し落選した柳大地氏の存在だ。柳氏はSNSなどを通じて「50万円あれば市議選に当選できる」といった独自かつユニークな選挙戦略を展開。若者層やネット世代を中心に鳥取市民の政治への関心を高める「台風の目」としての影響力を発揮しており、今回の市議選でも同氏の動きが各陣営の脅威となりそうだ。
【現職の引退動向と、囁かれる「大物」の再出馬説】
現職陣では、高齢などを理由に今回の市議選に出馬しない(引退・退任)意向とされる議員が5名程度に上るとみられている。これにより生じる空き議席を巡り、新人の乱立に拍車がかかっているとみるべきだろう。世代交代の時期が到来しているのだ。
なお、政治関係者の間では余談として、いくつかの興味深い噂も囁かれている。
一つは、市長選で敗れた柳大地氏について「次回の県議選に鞍替え出馬すれば十分に勝算があるのではないか」と評価する声だ。
もう一つは、過去に鳥取県議会議長を務めた実績を持つ元県議に対して、地元政財界や有権者から再出馬を求める声が根強く存在している点だ。この「大物」の決断次第では、市議選・県議選を問わず地元政界の図式が大きく塗り替わる可能性も秘めている。
各陣営の本格的な動きが始まる8月を前に、市内の政治地図は早くも激しい水面下の攻防が繰り広げられている。