湖山池のカラスガイ保全が難航していたが、近隣のため池で4個体が見つかった。同ため池は湖山池周辺で唯一の自生地であり、同所をビオトープにするための環境整備の可能性がありそうだ。

これまで、県は湖山池周辺3ヶ所のビオトープ候補地でカラスガイの生育環境に関するモニタリングを実施したが、
(A)福井ビオトープでは巻き上がった腐泥の再堆積により生息場所が貧酸素化。
(B)青島ビオトープでは夏場の高水温、宿主魚の不在
(C)オアシスパークでは大型コイによる食害の懸念、冬季の河川流量低下による水の干上がり。
以上の問題点が確認され、3候補地はカラスガイの生育環境として適していないことから、一端検討を終了していた。
一方、県衛生環境研究所では2013年度からカラスガイの稚貝育成に取組み、室内水槽で高住ため池に生息する成貝から採取したグロキディウム幼生を宿主魚となるウキゴリに寄生させ、室内水槽において稚貝の人工育成に成功。2019年6月より、水槽育成させた2016~ 2018年度産の稚員をもとのため池に戻し、同ため池内での保存を目指している。
(経過)
2020年7月、湖山池周辺での唯一の自生地である高住ため池で手探りのつかみ取りにより成貝の生息状況を確認した。確認した個体は4個体で、このうちメスは1個体。2018、2019年調査時には妊卵を確認できていない。
またため池で飼育中の約20個体(2016~17年度産)はすべて生存していた。しかし、2018年度に稚貝は生存を確認できなかったが、室内水槽で4㎝程度に成長した後なら野外放流で生存率が上がると推測されている。
引き続き生息環境を調査する予定。