鳥取県土整備事務所が進める道路整備事業のうち、中心市街地の景観向上や防災面の向上を目指した県道鳥取国府線(末広温泉町工区)無電柱化事業について、同事業の経緯や概要、今後の見通しについてまとめた。
1. 事業経緯・概要
同事業は、鳥取市末広温泉町地内、中心市街地の賑わい創出と安全で快適な歩行空間の確保、さらに災害時の電柱倒壊防止による防災機能強化を目的とした無電柱化・電線共同溝整備事業。
〇路線名=県道鳥取国府線(末広温泉町工区)
〇事業延長=L = 260m
〇事業期間=令和3年度~令和11年度(予定)
〇全体事業費=約6.5億円

2. 実施状況
令和7年度までに電線共同溝の本体工事(特殊部および管路材の設置)を概ね完了した。また、地上機器(トランス等)の設置場所(12箇所)については、全て民有地への設置として地元関係者との土地使用貸借契約等の調整・手続きを完了させ、機器の設置工事も概ね完了した状況だ。
3. 今後の予定と課題
今後は、電線管理者(電力・通信事業者等)による電線入線工事、各電線から各需要家(沿道家屋等)への接続工事(宅内引込工事)、そして既存の電柱・電線の撤去へと進む予定。しかし、今後の進捗にあたっては以下の課題が事業推進のさまたげとなりそうだ。
〇需要家(沿道住民・店舗等)の工事同意取得の難航が予想されること。
〇宅内引込工事にあたっては、建物所有者等の同意が必要となるが、対象数が非常に多いこと。
〇建物の構造上の理由等から、引込工法(ルートや接続位置)の決定に時間を要することになること。
〇一部の需要家において、工事に対する同意が得られていない、または調整が不十分な箇所が残されていること。
4. 対応方針(鳥取市への協力要請)
鳥取県土整備事務所では、今後の宅内引込工事を円滑に進め、早期に電柱を撤去するため、以下の対応方針を掲げ、鳥取市都市整備部に対して協力を求めた。
①個別訪問による丁寧な説明と合意形成
今後、県・電線管理者・施工業者等が連携し、同意未取得の需要家等に対して個別に丁寧な説明を行い、早期の工事合意(承諾)を得られるよう粘り強く交渉を継続する。
②市による地元調整等への支援・協力
中心市街地の活性化や市民の安全確保に直結する事業であることから、末広温泉町など地元とのパイプを持つ鳥取市に対し、地元調整や機運醸成における側面的な支援・協力の要請。
※このように、中心市街地の美しい景観と災害に強い街づくりに向け、行政と地域、電線管理者が一体となった丁寧な合意形成が、今後の事業進捗の鍵を握っている。