鳥取市環境下水道部は、令和8年6月市議会定例会の建設水道委員会において、「鳥取市下水道等におけるウォーターPPP導入可能性調査」の結果を報告した。人口減少に伴う使用料収入の減少や施設の老朽化、職員不足といった経営課題に対応するため、新たな官民連携手法(ウォーターPPP)の導入に向けた具体的な評価・分析を行ったもの。
今回の調査結果を踏まえ、来月(令和8年7月)に「ウォーターPPPアドバイザリー業務を委託。10月には募集要項等資料作成及び業者選定審査会を開催する。
令和9年3月には業者選定に伴う募集公告を行い、10か月後の同12月に業者選考会を開催、最優秀提案者と契約締結する。令和10年4月からウォーターPPPを導入する。期間は令和19年度までの10年間。
なお、鳥取市と包括的民間管理委託を契約しているのは、桜宮、鳥取市環境事業公社、因幡環境整備、キョウエイの4者。

調査結果の主なポイントは以下の通り。
1. 調査の背景と対象施設
鳥取市では公共下水道、農業集落排水、漁業集落排水など多くの汚水処理施設を抱えており、将来的な施設の統廃合(68施設対象)を計画している。
今回の調査では、これらの維持管理・運営に加え、施設の改築・更新までを長期間(原則10年間)一体的に民間委託する「ウォーターPPP(管理・更新一体マネジメント方式)」の導入が可能か、効率性やコスト削減効果を検証した。
2. 主な評価結果とメリット
民間事業者のノウハウを活用した「性能発注」や長年の包括契約、薬品・資材の一括購入等により、市が単独で行うよりも中長期的な維持管理・更新費用を縮小できる効果を確認した。
【事業のスケールメリット発揮】
複数の汚水処理施設を「バンドリング(一括化)」して委託することで、民間企業の参画意欲を高め、効果的・効率的なマネジメント体制が構築可能と判断した。
また市職員の専門技術者不足を補い、災害時や緊急時の対応能力を維持・確保するうえで、民間事業者の柔軟な人員・技術配置が有効と評価した。
3. 民間事業者へのサウンディング調査の動向
可能性調査の評価に合わせ、市は民間事業者の参画意欲や具体的な提案を把握するための「サウンディング型市場調査」を並行して実施した。事業者側からは、対象とする契約期間の設定、リスク分担、更新工事の発注スキームについて実効性の高い意見が寄せられ、導入に向けた市場の受け皿が整っていることが示された。
4. 今後の展開
今回の調査結果を踏まえ、鳥取市はウォーターPPP導入に向けた具体的な「実施方針」の策定や、事業者選定に向けた準備~公募手続き等~のスケジュールを検討していく。
総括すると、国が推進する上下水道分野の官民連携(令和13年度までの具体化目標)に足並みを揃え、鳥取市の下水道等事業も「維持」から「民間との協働による最適マネジメント」への転換期を迎えている、と考えられる。