鳥取県は7月21日、県内への新規進出および事業拡大となる企業立地2件が決定したことをあきらかにした。首都圏を中心に事業を展開するシステム開発企業「株式会社アイティープロデュース」(本社・東京都台東区)が米子市に新拠点を設けるほか、建設機械アタッチメント製造の「株式会社タグチ工業」(本社・岡山市)が大山町に約22億3,000万円を投じて第二工場を建設する。デジタル人材の育成・定着や、製造業の最新技術導入による地域経済の活性化へ期待が高まる。
■ ITプロデュース、米子に新拠点——若手の地元定着と地域DXを推進
システム開発やAI・DX導入支援を手掛ける株式会社アイティープロデュース(糸原賢二代表取締役)は、今年(令和8年)8月に米子市東町の「米子第一生命ビル」4階に「米子支店」を開設・操業開始する。投資額は約1,500万円で、今後5年間で15名の雇用を予定している。
同社は製造業向けアプリケーション開発に強みを持ち、全受注案件の半数以上を製造業関連が占める。創業者である糸原代表が島根県出雲市出身という縁もあり、山陰エリアでの拠点展開を進めてきた。既存の松江支店や出雲支社を通じて鳥取県西部の顧客取引が増加していたことや、同地域出身者の採用実績があったことから、県と米子市の誘致を受けて進出を決めた。
平均年齢31歳という若い組織力を生かし、首都圏案件の受託開発にとどまらず、地元製造業や金融機関等のAI・DX推進を伴走支援する。県は「先端的デジタル活用企業立地促進補助金」として約750万円(補助率2分の1)の支援を予定している。
■ タグチ工業、大山町に22億円超のスマート工場——解体需要増に対応
建設機械アタッチメント大手メーカーの株式会社タグチ工業(田口博章代表取締役社長)は、西伯郡大山町高田の既存工場(第一工場)に隣接する風力発電所用地(約1.1ha)を取得し、「大山第二工場」を新設する。竣工は令和10年(2028年)5月を予定しており、投資額は約22億3,000万円、新たに5名の新規雇用を見込む。
全国的な建物老朽化や都市再開発の活発化に伴い、建築物解体用アタッチメントの需要が拡大している。同社は岡山市の本社工場から薄板・中板鋼板(厚み6〜40mm)の溶接工程を大山第二工場に移設・集約し、生産能力を大幅に強化する。
新工場では、工場内運搬の自動搬送システムやロボット塗装を全面的に導入し、省力化と高品質化を極めた最先端の「スマート工場」を目指す。県は「産業未来共創補助金」を通じて約3億3,000万円(基本10%+土地建物同時取得加算5%)の助成を行う見込みだ。
■ 地域経済への波及効果に期待
今回の立地決定は、IT分野における若年層の雇用創出・地元定着と、ものづくり産業における自動化・スマート化の先進事例として、鳥取県西部地域の経済基盤を一層強固にするものと期待されている。