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鳥取県立博物館耐震改修方針~総事業費45億、工期38カ月 文化庁と事前協議へ

投稿日:2024年12月05日 04:12 更新日:

 鳥取県立博物館は、令和6年11月末に、同博物館の耐震補強方法や現行法令に適合させるための改修計画について、現時点での検討状況を明らかにした。

 構造補強では展示室とダクトスペースとを隔てる柱梁の面に、鉄筋コンクリートの耐震補強壁を追加設置することや、床面補強では床面のPCa版どうしの連結強化と、力の伝達のために床面にコンクリートを打ち増し、補強する方針が決まっている。

 概算工事費は約45億円で、内訳は耐震補強:約27億円、法改正対応:約7億円、設備更新:約11億円など。建設工期も約38カ月。

 なお、現在は令和6年度予算を活用し、構造躯体(コンクリート)劣化の進行度合い等、耐震補強に係る詳細調査を実施中。施設改修にあたっては、文化庁の許可が必要となるため、基本設計の内容等、具体の計画案を示して、事前協議を行う方針だ。


(県立博物館1階平面図)

【現時点の検討状況】

耐震補強
 全5棟の建物のうち、4棟が大規模な地震により倒壊又は崩壊する危険性があるとされているIs値0.3以上0.6未満に区分されている。
 そのため、複数の耐震補強方法を比較検討し、耐震壁の新設や既設耐震壁へのコンクリート増し打ち、床面へのコンクリートスラブ施工による補強を選定。これにより現在の最小Is値0.3を、震度6強程度の地震にも耐えうるIs値0.66まで引き上げる。

法改正対応
 開館後の法令改正等により、現行法に適合していない設備等があるため、これらの優先順位や改修方法を検討し、特に利用者の安全確保に関わる設備として、二酸化炭素消火設備からハログン化合物消火設備に更新するほか、天丼下地の補強、防火シャッターの改修等、防火区画の是正を行う。

設備老朽化
 開館当初から使用している設備もあり、基幹設備の老朽化が進行していることから、更新計画を検討し、設備更新に際し収蔵品の館外移転や長期の休館を行う必要がある熱源や受変電設備、非常用発電機に限定して更新を行う。

全体工期
約38カ月
※上記期間には、コンクリート打設後、文化財の保存に適した空気環境となるまでに必要な二夏の「枯らし期間」を含む。
この約38カ月の間、博物館は休館となるため、学芸員派遣や出前展示等により代替する予定。

概算工事費
 精査中だが、約45億円(耐震補強:約27億円、法改正対応:約7億円、設備更新:約11億円)と算定した。
 複数案を検討した結果、経済性でも最も優れた案を採用しているが、壁が2重となっている等、特殊な構造の建物であることに加え、施工面積が大きく、床面の補強も必要となるため費用が嵩む結果となっている( 参考資料2)。

【今後の予定】

 現在、調査を実施している構造躯体(コンクリート)劣化の進行度合い等の結果分析や改修実施に向けた館内収蔵品の移転方法を検討するとともに、休館期間が相当程度発生することについて、関係者等の意見も伺いながら改修案の検討を継続する。

【参考】これまでの取組
●令和5年度6月補正予算で基本計画を策定するための予算を確保しており、耐震補強方法等の検討や現行法令に適合させるための改修計画の検討に着手した。

●令和6年1月の県有施設・資産有効活用戦略会議において、同月に発生した能登半島地震を踏まえて、早急な耐震改修が必要なこと、史跡上での耐震改修であり、業務の自由度が低い事から削減効果が出る可能性が低く、参入意欲や競争性の確保に課題があることから県直営での耐震改修を行う方針とした。
 また老朽設備の更新については、別途民間手法の導入を検討することを想定。

●県立博物館は、国指定「史跡鳥取城跡附太閤ヶ平」内に立地しており、現状変更について、文化庁の許可を得る必要があることから、令和6年5月に文化庁との協議を開始。地盤の掘削等、地下遺構を棄損する可能性がある工事を行わないことを前提として、今後も検討を継続する。

●また、国宝や重要文化財等の展示に関する国の施設基準として、「公開承認施設」の指定を受けていることから、施設の改修について、令和6年6月に文化庁との協議を開始。今後は、基本設計の内容等、具体の計画案を示して協議を行うことを求められている。

参考資料1、参考資料2

1 耐震補強等に係る検討案の概要
2 耐震補強に関する工法比較

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