鳥取県農林水産部は、令和3年4月に「鳥取県和牛振興計画」を策定した。鳥取県が有する雄牛遺伝資源の保護と鳥取和牛の生産・加工・販売に振興の指針となる計画書で、2030年に達成する目標とその実現に向けたソフト・ハードウエア事業を盛り込んでいる。
なお、鳥取和牛のうち和子牛のセリ価格は2020年に全国1位、同じく全国の優れた和牛を評価する「全国和牛能力共進会」で総合2位に輝くなど、そのブランド力は年々高まっている状況で、県農林水産部では公共牧場の機能強化や繁殖農家の子牛を預かって世話をする「キャトルステーション」の整備を今後検討するほか、家畜糞尿の適正処理に必要な施設整備・修繕の促進、和牛放牧と稲作との連携、近隣農家の堆肥利用など生産基盤の強化を図る。
具体的な2030年の目標として、①和牛農家(法人数)を現状19法人から30法人に、②繁殖雌牛を4500頭から7000頭、③肥育出荷頭数3200頭を5000頭~など数値目標を上げている。
【数値目標】
| 目標 | 指標 | 現状(2020年) | 目標(2030年) |
| 和牛担い手農家の増加 | 法人数 | 19法人 | 30法人 |
| 繁殖雌牛の飼養頭数の増加 | 繁殖雌牛頭数 | 4,542頭 | 7,000頭 |
| 肥育牛の出荷頭数の増加 | 肥育出荷頭数 | 3,206頭 | 5,000頭 |
| 子牛上場頭数の増加 | 和子牛セリ上場頭数 | 2,618頭 | 4,200頭 |
| 全国上位の和子牛セリ価格 | 和子牛セリ価格 | 全国1位 | 全国3位以内 |
| 全国和牛能力共進会での上位入賞 | 総合評価群の順位 | 2位 | 1位 |
注:鳥取県内の公共牧場は、公益財団法人鳥取県畜産振興協会が管理運営しており、2牧場とそれに附随する3牧野がある。
1 鳥取放牧場
(牧野1)河合谷牧野:鳥取市国府町
(牧野2)俵原牧野:東伯郡三朝町
(牧野3)兵円牧野:鳥取市河原町
2 大山放牧場:西伯郡伯耆町

【基本方針】
繁殖雌牛、子牛、肥育牛増産のため、生産基盤の拡大や人材育成・組織強化に取り組む。
※鳥取県産和牛の生産基盤の拡大と経営体質強化
鳥取県が和牛産地として発展するため、鳥取県産和牛(子牛、肥育牛)の生産拡大に取り組むとともに、自給飼料生産や地域農業への堆肥利用での地域との連携を含め持続的な和牛生産に繋がるよう経営体質の強化を図る。
(具体的な対策)
○牛舎等の施設整備や機械導入、牛の導入などの負担の軽減、空き牛舎の有効活用など、鳥取県産和牛(子牛、肥育牛)の増産に必要な取組を図り、生産基盤の強化を進める。
○和牛繁殖雌牛を預託する公共牧場の機能強化や子牛の哺育・育成を行うキャトルステーション整備を検討するなど、生産者の負担を軽減し和牛の増産にも有効な共同利用施設の利用体制の拡充を図る。
○経営の安定につながる自給飼料生産や稲わら確保、和牛放牧など、機械導入やコントラクター組織等による取り組みなどを進めながら、地域の農地を有効に活用した和牛生産を進める。
○家畜糞尿の適正処理に必要な施設の整備や修繕による維持を図るとともに、地域での耕畜連携による堆肥利用の促進を図る。
○地域の畜産農家にも影響を与える家畜伝染病の発生を防止するため、飼養衛生管理基準の遵守に取り組む。